第參話 見間違い?
なかなか1000字の壁が超えられません。
これは自分が自転車で少し遠出した帰り道で起こったことである。
その時俺は2、3駅ほど離れたところにある店で買い物をして、後五分ぐらいで家に着くという場所だった。目の前の交差点の信号が赤に変わり、車通り全くないのに止まって青に変わるのを待つ。
すると向かい側に小学生四人組がやってくるのが見えた。楽しそうになにやら談笑している。
顔が確認できる位置に来る前に信号が赤から青に変わったので、気にせず横をすり抜けるため、横断歩道を渡る。
そしてそのまま通り抜けようとしたところでその4人組に見覚えがあることに気がついた。
自分の家から自転車で五分の場所なので見覚えがあっても不思議ではないのだが、そうではなかった。
4人のうち3人は自分が小学生の時よく遊んでいたA、B、Cだった。それも自分は今年19になるにも関わらず、同級生のはずの彼らはどう見ても小学生の時に遊んでいた姿そのままだった。
そして決定的だったのが、最後のひとり、それは、小学生の時の自分だった。
自分の顔なので他人の空似ではないというのもあるが、自転車が小学生当時乗っていた自分のものと全く一緒だったのだ。そればかりは見間違えるわけがない、というのも小学生の時乗っていた自転車というのが、車体がオレンジで籠がないものだったのだが、籠がないのはつらいと後付けで籠を付けた、なんとも不格好な見た目のものだった。近くの自転車屋で同じ自転車を見たこともないし、籠を付ける時、付けられる籠を探すのに苦労したのを覚えている。しかし、現在その自転車は捨ててしまってない。
つまり、その自転車だけならともかく、籠まで全く一緒の自転車があるわけないのだ。
すれ違い、横断歩道を渡り切るまでにそこまで考えた俺は、渡りきった後、見間違えじゃないことを確認するため、自転車を止め振り返る。
しかし、そこには、彼らは居なかった。
さらに、さっきまで聞こえていた彼らの談笑も振り返った途端ラジオの電源でも切るかのようにぷっつり切れてしまった。
今まで見て聞いたものが幻覚や幻聴だったのかどうかは今となってはわからないが、今でも彼らの談笑は耳に残っている。
もう少し抽象的なものを書きたかったけど、技術と、抽象的な体験談のネタがない...