第弐話 音
だいぶ短めですが
話をする前にまず、自分の部屋の位置関係を語らせてください。俺の部屋は廊下の真ん中に位置し、弟の部屋と反対側の部屋の押し入れに挟まれていて窓は北側に一つしかないという作りをしている、ということを頭の片すみに置いておいてください。
その日の夕方、俺は部屋の壁にくっつけておいてあるベットでのんびりとごろごろしていた。
トントントントン。
すると弟の部屋の方の壁からまるでノックでもするかのような音が響いてきた。
弟は全寮制の学校に通っていて部屋はたまに帰ってきた時ぐらいしか使わない。
つまり誰もいるはずもなかった。
俺は気になったので音源である弟の部屋へ入ってみた。
もちろん誰もいるはずもない。そしてものが床に転がっているということもなく、ただただ普通の部屋が広がっているだけだ。
『ケケッ』
自分の部屋側の壁のあたりに原因になりそうなものを見つけられず、首をかしげながら自室に戻ろうと部屋の扉に手をかけた瞬間、そんな、笑い声のような、
アニメなんかの鳥の鳴き声のような声が後ろから聞こえた。
俺は気づかなかったふりを決め込み、そのまま部屋を出た。
それ以降音をや声を聞いたということはないが弟の部屋にも入っていないため真相はわからない。
どう思うかはあなた次第です。