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フラ恋  作者: ゆずるぎ
8/10

第二章恋愛神に出会って恋から遠ざかる俺 4

「なんでこんなに遅かったの?えっ?なに?不倫?」



はい、すっごい拗ねていらっしゃいました。しかも不倫ってなんだよって感じです。



「いや、千佳に会って少し話していたんだよ」

「あっ、そうなんだ。千佳ちゃんなら大丈夫だね、お兄ちゃんのこと嫌っているし」

「ああそうだ、俺は千佳を嫌っているからな」



こっちの方があんな女は何があっても願い下げだ。



「それで今日の晩飯は何にしたんだ?本当にカレーか?」

「さすがに私もカレーには飽きたから違うのにすることにした~」



『それなら私の出番じゃな、春は竹の子じゃ、竹の子ご飯なんてどうじゃろ?』

・・・・以外にまともな意見だ、悪くない。もっと意味不明なものを頼んでくると思っていた。

『私をどんな風に見ておったんじゃ』

スイカも知らないぐらいだから、全然物を知ってないと思っていた。

『スイカは偶然知らなかっただけじゃ、おぬしより物は知っておる』

どうにも怪しいな、名前も曖昧だったみたいだし。どうせ意地張っているだけだろ。

『もうそれでよい。さっさと言わんか』



「よし、琴莉。竹の子ご飯なんてどうだ?」

「ゴッドアイデアだよお兄ちゃん!」

「ゴッド?」

「か、噛んだの!お兄ちゃんの意地悪~」



いや、間違ってはいないけど噛むにしても的確すぎるだろ!ドストライクもいいところじゃん!

『・・・・ちょっと私もびびった・・・の』

ちょっと本人も焦ってるし!底知れないな俺の妹は・・・・・。

あれ?琴莉の奴どこだ?また拗ねてどこか行ったか?

なんて探していると偶然にも『早く見つけるかの、お腹も減っておるし』制服を買うときに『これ、あっちおったぞ』会った可愛『竹の子が沢山あるの』い女の子が『上手そうじゃ、さっさと買ってかえろう』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

うっざい!わざとらしさが満載だな、本領発揮かよ!

『?????どうしたんじゃ、心が乱れておるぞ?????』

どれだけ疑問だらけなんだよ!メッチャ誤魔化しているな!

とにかくこの前の誤解「お兄ちゃん、ここに竹の子あったよ~」を解かないと、その「早く買って帰ろうよ」ために話しかけよう。そう別に「何処見ているの?変態みたいだよ」下心とかはない、紳士で「警察呼ばれちゃうから、早く行こうよ」すから。

・・・・・・・これっていじめですよね?公共の面前で泣いてもいいですか?



『おぬしは何を泣きかけておるんじゃ?』

「お兄ちゃん、急にどうしたの?」

「お前らが原因だろうが!邪魔するな」 ダッ

『「どこに行くつもりなの?」じゃ?』 ガッ



すばらしいコンビプレイですね。片方は首をロックしてもう片方は胴体をロックですか。まったく身動きが取れませんね、ちくしょう。

お前らなんで意思疎通してないのにそんなにも息があっている!どれだけ俺を青春から遠ざけたいんだよ!



「離すんだ!俺はどうしても成し遂げなきゃいけないミッションがあるんだ!今後の高校生活が左右される大事なことなんだ!」



首をロックしているリティを後ろに頭突きをして解除し(まさか当たると思わなかった。『くふぇ!』とか意外に可愛い声をあげていた)胴体に抱きついている琴利の頭を撫でて油断させて(昔からこの手が一番有効)逃走した。



「お金はポケットに入れておいたから先に買っておいてくれ!」

「ふにゃ~、わかった~」



よし琴利はこれで撃退完了だ、問題は・・・・



「こへ!よふも神に向はってずちゅきしよっちゃな!(これ!よくも神に向かって頭突きしよったな!)」



後ろから憑いて来る疫病神をどうにかしないとダメだ。



「スイカたくさん買ってやるからここは見逃してくれ!」

「食べ物で釣られると思ったら大間違いじゃ!」 ぐー



お腹は正直だったみたいだ。



「神様が嘘を言ったらダメですね~、もうスイカ買わないぞ?」

「ぐっ、おぬし卑怯じゃぞ!」



よし、これを餌に交渉だ!



「ここは大人しくしてもらおうか。話している間どこか行っていてくれ」

「それは無理な話じゃな、私はおぬしからは離れられん」



さっき必死に追いかけてきませんでしたか?



「なら邪魔するな、ジッとしていろ」

「できたらの。別にわざとやっておる訳ではない、無意識じゃ」

「たち悪る!じゃあできるだけ離れていろ。そうじゃないとスイカ買わないからな」

「ふむ、了承じゃ。最善は尽くしてやろう」



交渉終了だ。ちょっと心配・・・・いや、かなり不安だけど。とりあえずはOKだろ。



「ねぇ、奥さん。あの子大丈夫かしら?」

「いや~、頭でも打ったんじゃないかしら?可哀想ね~」

「お母さ~ん、あのお兄ちゃんなにしているの~?」

「見ちゃダメよ、さあ行きましょう」



リティ→他の人には見えてない、俺→リティに話しかけている。

これはあれですか?何もない所に一人で話しかけている痛い子の認識でいいですか?

やってしまった、焦って忘れていた。不幸中の幸いなのはあの子は近くにいなかったから気づいてないことだ。

とりあえず電話していたってことで携帯の電源を切るふりだけでもしておこう。

『もう遅いじゃろ』

いつのまにかくっついてきたリティに言われた。誰のせいだ、誰の。

『おぬしが勝手に喋っていただけじゃろ?』

もういいよ、邪魔さえしなかったら許す。

『だから最善は尽くすと言っておろう』

信用できない、かぎりなく信用できない、信用できる要素がない。

『うむ、私も邪魔しない自信はこれっぽっちもないの』

否定する気ゼロかよ!ほぼ邪魔する宣言じゃん!

(きり)がないから付いているリティをひっぺがして話しかけることにしよう。

できるだけさりげなく、さりげなく。



「あの~、昨日会ったよね?」

「えっ、あぁ~、こんにちは」 スッ



一歩距離をおかれたけど泣くな、めげるな、気にするな。落ち着いて話せば分かってくれる。



「制服を買っていたから同じ学校だよね?」

「そうですよ、当たり前じゃないですか」

「ですよね、同級生になるんだし仲良くしませんか?名前教えてくださいよ」

「そうですね、初美(はつみ)(なえ)()です」

「よろしく、俺は静寂永木。永木でいいよ」

「よろしくお願いします、静寂君」



なんでみんな呼んでくれないのかな?リティの奴も呼ばなかったし、そんなに初めての人を名前で呼ぶのが嫌なのか?

『おぬしは最初から馴れ馴れしすぎるんじゃ』

うるさい、くっ付くな疫病神。

『なっ!おぬし、それは酷いではないか!』

言っていることは間違ってない。こっちの方がぴったりだしな。



「ふん、ひとつ言っておくがこの女はおぬしが思っているような女ではおらんぞ」



何を根拠に言っているのやら、でたらめもいいところだな。

まずは昨日の誤解を解かないと。



「初美さん、俺昨日は変なこと言っていたけどそれは「お友達に言わされていたんですよね?」・・・そ、そうなんだよ。なんか怖がらしてごめんね」

「いえいえ、こちらも逃げてしまって申し訳ありませんでした。昨日は少しびっくりしただけなので、落ち着いて考えればあんなところで本気であんなことを叫ぶ人はいませんものね」



・・・・・・・・まぁ、うっかり本心を叫んじゃったんだけどね。

でもこれで誤解は解けた。それ以前にちょっと仲良くなってね?仲良くは言いすぎかもしれないけどお知り合いはなれた。これはかなりラッキーだ。

思ったよりリティも邪魔してこないし、これなら全然問題ない。


「ほりゃ!」バンッ「うおっ!」ドンッ「きゃっ!」フニョン。


わお、手にサプライズ!これはC・Dぐらいのサイズかな?



「「・・・・・・・・・・・・・」」

「くくく、最悪の沈黙じゃの」

「ご、ごめん!なんか(つまづ)いて」

「・・・きっも、この変態触りやがった・・・」

「えっ?」

「いえいえ、大丈夫ですよ。お怪我はありませんか?」



なんて気遣いのできるいい子なんだろう。しかも胸を触られたにもかかわらず許してくれるなんて、おしとやか過ぎるよ。

あらためて事実を口にすると鼻血が・・・・・・!しかし本当に弱いな、俺!たかが胸に(たかが胸なんて言えないほど飢えているけど)触ったぐらいで鼻血が出そうになるなんて。女子に対しての免疫弱すぎだ。



「そろそろ行かないとダメなので失礼しますね?

・・・これ以上一緒にいたら吐くわ。キモ過ぎ、鼻なんか押さえやがって・・・」

「そうですね、じゃあまた明日学校で」

「ええ、さようなら。・・・二度と会うか、クソ虫・・・」



帰るときも俺が手を振ったらお辞儀してくれるし、礼儀正しいな~。でも添えている手が握りこぶし作っていたような?少し天然な所もあるのかな?



「・・・・・・まったく信用しきっている顔じゃな」

「なに言っているんだよ、信用しない要素がないだろ。お前とは違ってな」



おっと、また喋ってしまった。どうしても喋ってしまうな、注意しないと。

「はぁ~『痛い目見ても知らんぞ?もうどうせ私は邪魔しなくても大丈夫そうじゃし』

何を言っているんだ?最初の出会いは良い感じに終わっただろ?

『そう思っておればよかろう。おぬしに彼女が出来ないのも当然じゃな、これだけ相手の気持ちを分からないのじゃから』



「お兄ちゃ~ん、帰ろう~♪」



リティの言っていることはよく分からないな。ただ単に全然邪魔できなかった言い訳にしか聞こえないな。

まあいいか、早く帰って飯でも食おう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


チャットルーム実現区


壱神【これが今日起こった事なんだよ】

鍵守【壱神、頭大丈夫か?】

キョヒ【なかなか凝った設定ですな】

ハコ・メイ【いっちーも大変だね~】

壱神【いや、マジな話だからな!信じてくれよ!】

鍵守【そうか!壱神は自分の妄想を実体化することに成功したのか!】

壱神【その解釈は嫌だ!】

キョヒ【しかし流石に話だけで信用するにはいささか無理があるかと】

ハコ・メイ【大丈夫!私はいっちーを信じるよ】

壱神【メイ、それはどうゆう意味の信じるだ?】

ハコ・メイ【えっ?・・・・・とにかく信じる!】

キョヒ【wwww】

鍵守【さすがメイだ(笑)】

壱神【信じろよな~、今も横で喋っているんだからな!】

鍵守【そういうなら、その神様とやらにこのチャットルームに来てもらえよ】



「だってさ、なにか書くことあるか?」

「だから誰も信用せんと言ったであろう。しかも何故私が話をするのじゃ」



帰ってきてからご飯を食べて、リティが「早く私にもよこさんか!」と急かすから琴莉に先に風呂に入ってもらい部屋でリティに飯をあげているところだ。

それで暇だったからチャットしていたら別に顔の知らない相手になら相談してもいいかなと思いリティについて話してみた。

結果は(リティが宣言していた)頭のおかしい奴扱いにされた。薄々(うすうす)予想はしていたけど信じてもらえなかった。俺も人からこんな話聞いたら「どこの二次元の話ですか?」って絶対に信じないだろうな~。



「別になにか一言でいいからチャットルームにいる人に信じてもらえればいいんだよ」

「そんなことして何の意味があるんじゃ?」

「リティについて対策を相談するために決まっているだろ」

「そんなことを言われて協力すると思っておるのか?」



しまった!実際はリティについて愚痴を言いまくりたいからなんだけど、それを言わないように回避しようと思ったけど回避しきれてなかった。俺一人でリティを抱え込むのは無理があるから少しでも話しを聞いてくれる人が欲しいのも確かだ。



「冗談だろう~、お前も俺とだけしか話せないのは退屈だろうからやってみようぜ」

「別にそんなことはないがのぅ~」

「その言葉は嬉しいけど一回やって「好き放題に苛めれるからの」・・・・・・・」

「おぬしはとても苛めていて楽しいぞ」



これって喧嘩売られているのかな?それともただのドS宣言かな?



「苛められる立場になってみろ!」

「おぬしに出来るならやってみるがよい、所詮無理じゃと思うがの」



くっ、反論できないのが悔しいな。確かに無理だ、逆に弄ばれかねない。



「まぁ、少しぐらいならやってみようかの」

「おっ、マジで。じゃあこっちのノートパソコンで入ってくれ」

「ふむ、よかろう」



壱神【相談の結果、話してくれるって】

鍵守【壱神の妄想が?】

壱神【ちげえよ!俺に取り付いている神様だよ!】

ハコ・メイ【やったー♪わくわく】

キョヒ【本当かどうか怪しいですが信じてみるとします】


IN リティ


リティ【おぬしたちが疑っておる神の登場じゃ】

ハコ・メイ【こんにちは~神様~】

キョヒ【貴方が神様なのは本当なんでしょうか?me様は信用できません】

鍵守【どうも壱神の妄想さん!スリーサイズを教えてください】

リティ【・・・・・・・・・・・・】

壱神【こらお前ら!リティが俺に八つ当たりしてきたじゃないか!】

鍵守【所詮お前の妄想だろ?】

リティ【私がこやつの妄想など身の毛がよだつほど嫌じゃ】

壱神【おい、そこまで言わなくてもいいだろ!】

リティ【変態に遠慮する義理は微塵もないの~】

壱神【ひでぇ!変態にも人権はあるし、俺は変態じゃない!】

キョヒ【ここまで自分をバカにするのは自作自演では無理ですな】

鍵守【よっぽどのドMじゃないと無理だろ】

リティ【こやつはドMじゃぞ?私に弄られても平然としておるからの】

ハコ・メイ【えっ?そうだったのいっちー?】

壱神【断じて違う!リティ、勝手なことを言うな!】

キョヒ【・・・・・・・・・・・本当のようですな】

鍵守【・・・・・・・・・・・・・・まじかよ】



「リティ、もういいノートパソコン返せ」

「嫌じゃ、私はまだやっておる」

「もういいよ、十分信じてくれたみたいだし、これ以上乱すな」

「別に乱してはおらん、おぬし以外は」

「俺を乱している時点でもういいよ!これ以上余計なことを言われてたまるか!」

「くおっ、何をする!」



リティ【今となりでわたにghばjkbdhw】

キョヒ【どうしたのですかな?】

鍵守【バクか?それとも壱神が襲っているのか?】

ハコ・メイ【わぉ、いっちー大胆だ!】


OUT リティ


壱神【誰が襲っているだ!余計なこと話し出したからパソコン取り上げただけだよ!】

鍵守【え~、つまんないだろ壱神。もっと話聞かせろよ~】

キョヒ【ここは鍵守くんに賛成ですな】

ハコ・メイ【もっと神様と話してみたい~】

壱神【もう信じただろ、後ろで神様がうるさいから落ちるぞ。じゃあまた今度】


OUT 壱神


鍵守【あっ、逃げやがった】

キョヒ【またの機会までお預けですな】

ハコ・メイ【もっと話してみたかったな~】

鍵守【しゃーない、壱神もいないことだしハレームでもしようか】

キョヒ【me様も帰るとします、きもいので】

ハコ・メイ【えっちぃのはめーだよ!そんなのだったら帰る】

鍵守【二人ともつれないな~】



「これ返さんか!おぬしがやれと言ったんじゃろうが!」

「だからもういいって、みんな信じてくれたし」

「私はまだ満足しておらん!」



しったことかあれ以上俺の株を下げさしてたまるか。せめてネット上だけでもいいかっこしておきたいからな。



「まったく自分勝手にも程があるじゃろ」

「それはお前だけには言われたくないな」

「私は神様だから仕方ないじゃろ?」



もう諦めた、リティをコントロールするのは絶対に無理だ。



「おぬし、明日から学校じゃったな?」

「そうだけど、もちろんついて来るんだよな?」

「うむ、そうなるの」



はぁ~、俺の安らげる場所は本当になくなってしまった。どっちにせよ学校は安らげないけど。



「安心するがよい、学校では本当に大人しくしておる、恋愛沙汰以外はの」

「どうせなら恋愛沙汰も大人しくしておいてくれよ」

「無理な注文じゃな」



まぁでも今日の感じならまだいいかな。本当に大人しくしてくれるならだけど。

・・・・・・・・・・・・明日が心配だ。

でももしかしたら今日会った初美さんと同じ教室だったりして。それでいきなり告白されたりしてな。



「おぬし、顔が気持ち悪い」

「ほ、ほっとけ!」



近いうちに感情が顔に出ない特訓でもしないと、あと声も。


書いてた分です

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