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ただ一人、歌を紡ぐ  作者: 彼岸 沙華
第零楽章 セカイ解放
2/4

家族

道路の真ん中に、少年はいた。


「───…あーあ」


やってしまったな。

そんな顔を浮かべながら少年は頬についた血を手で拭った。


「この様子だと、皆死んでるなぁ」


一歩踏み出す。

ぐしゃり、何かが潰れる音がした。


「ざまあみろ」


嘲笑まじりの言葉。

それを聞く者はおらず。

人を皆地にひれ伏すように死んでいた。


「ぼくを認めないからだよ。」

「ぼくは化け物じゃない。ぼくは人だ。」


ああ、こんなこと言っても皆死んでるか。



あくまで軽く、まるで冗談を言うように。

少年は残酷に告げる。


「良かった。」


空を仰ぎ、目を細める。

青い青い、雲ひとつない晴天の下で。


「終わる前に、復讐できた。」


そう呟いて、



「さよなら」


世界は終わった。



第一話

家族(ファミリー)



お母さんは眠る様に死んでいた。

お父さんは苦しそうに死んでいた。

弟は丸まって死んでいた。


皆、みーんな死んでいた。

大人たちはそれを皆ぼくのせいにした。


おまえらなんか、死んじゃえばいいのに。

おまえらなんか、いらないのに。



























本当にいらないのは、ぼくなんだって。

そんなの分かっていたよ。


△ ▼ △ ▼


「今回で四兆八千七十二億九千八百三十四万四千二百七十四回目、だね。」


白い空間で、声が響く。


「いつになったら君は終われるのかな。」


「まあ、」







「君は終われないよ。」

「それが、君の呪いだから。」


光が弾けた。

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