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ただ一人、歌を紡ぐ  作者: 彼岸 沙華
第零楽章 セカイ解放
1/4

化物

「───ぁ、」


少年は1人、声を漏らした。

誰もいない、たった一人の部屋で。


「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない…」


呪いのような、悪魔のような言葉の数。

壁一面に憎悪の言葉の数々。


少年は狂っていた。


どう仕様も無いほどに、後戻り出来ないほどに。



「どーして?」

「どーして、ぼくだけ。」


長く伸びた髪をくしゃりと掴み、笑みを浮かべる。

悪魔のように、歪んだ笑みを。


「どーして、」

「どーして、ぼくは化け物なの。」


恨みが、憎悪が少年を狂わせた。

理不尽な常識が、少年を壊した。


「どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてっ!!」



「─────ねぇ、」



窓の外を見て、目を細め笑った。


かあ、と

真っ黒な烏が始まりを告げるように鳴いた。




「認めてくれないなら、」

「────殺しちゃっても、良いでしょ?」




その化け物は、孤独ゆえにその異常性に気づかない。

だからもう、あの少年は手遅れだ。



「皆、死んじゃえ。」


赤が、舞った。

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