友達を作ろう大作戦!!
ドンドン。
「こーへいっ。朝だぞ、学校いこーぜ」
ドンドン。
ドアを叩く音、そして誰かの声。前の学校ではこんなことなかったな。少し嬉しい。
「こーへい。早くしないと遅刻するぜ」
ちこく。チコク。遅刻。
「遅刻っ」
僕は布団から跳ね起き、制服に着替えて鞄を持ってドアを開けた。こんなに焦ったのはきっとこれまでも、これからももう起こることはないだろう。
「お、やっと出てきたな。あと5分で学校につかないと遅刻になるから、一応走るか」
家から学校まで十分。大丈夫か。それよりも
「なんでお前いるんだよ」
「なんでって、部屋隣。それに俺が来なかったら、航平絶対に遅刻してただろ。感謝しろよな」
余計なお世話だ。
「ほっといてくれてよかったのに」
「こういう時は、ありがとう、って言うんだぜ。知ってるか」
馬鹿にするな。僕だってそのくらいは。
「ありがとう」
最後の方は声が小さくて聞こえなかったかもしれない。俯いていたから、余計に。
「どういたしまして。って、こんなことしてる間に後三分だ。走るぞ航平」
「あ。あぁ」
こういうのも、たまにはいいかもな。
いくら走ったとしても、やはり3分で学校に着くのは無理だった。学校に着いたのは登校時間を3分オーバーしていた。