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第五話 化学基礎&昼休み

 今回もよろしくお願いします。

 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。


 さて、お昼前最後の授業の開始のチャイムが鳴り響く。


 「じゃ、またお昼休みにね。」


 「フッ、さらばだ。」


 龍矢と仁がそう言いながらそれぞれの席に戻っていく。


 「さぁ、授業を始めますよ~。」


 そう言いながら、授業の担当教師が入ってくる。今回の授業は化学基礎だ。


 ちなみに、口調からもわかるように体育・数学・英語とは違い化学基礎の教師は女性である。


 「今日はモル質量について学習していきましょう~。」


 そう言いながら教師が板書を進めていく。さて、ここで問題なのが…。


 俺、島田蒼しまだそうは化学基礎含め、理科の教科が苦手である。


 さて、教師が板書したモル質量の公式がこちらだ。


            物質の質量[g]

     物質量[mol]=――――――――

            モル質量[g/mol]


 正確にはモル質量を利用して物質量を求めるという公式なのだが…。


 見ただけで拒絶反応が起こる。ものすごく眠くなってきた。しかし、寝るわけにはいかない。授業は寝ないのが当たり前というのもあるが、この教師は必ず寝ている生徒を指名するのだ。


 化学基礎が苦手な俺が指名されるとする。俺は絶対に答えられない自信がある。


 だから…寝るわけには…いかな…Zzz…。


 「はい、そこの寝ちゃってる島田く~ん、この問題に答えてくださ~い。」


 しまったあぁぁぁぁ!馬鹿か俺は!なんで堂々と寝てるんだチクショウ!


 落ち着こう。大丈夫だ。つい取り乱してしまったが、黒板に書かれた質問を見れば、公式に当てはめるだけで答えられるレベルの問題じゃないか。


 俺は息を整えながら黒板に前に立ち、問題を解いていく。


 「これでどうですか?」


 そして、回答を書き終えた俺は教師にそう言った。


 「正解で~す。眠いのはわかるけど、気をつけてね~?」


 「はい。すみません。」


 そう言いながら俺は席に戻る。ふぅ、なんとかなってよかった。とにかく化学基礎は眠くなる。純粋に苦手だからだ。苦手な教科の授業ほど眠くなるのは高校生のさがだろう。


 キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…。


 そして、俺の苦手な化学基礎の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。


             やったぜ。

 

 「じゃあ、今日はここまでにします~。また次の授業でお会いしましょう~。」


 そう言いながら教師は教室を出て行った。途端に教室の中が騒がしくなり始める。最初にも言ったとおり、今の授業が終わって昼休みになったのだ。


 「蒼~、ご飯にしよ~。」


 そう言いながら龍矢が俺の席に来て、俺の近くの席を借りて弁当を広げる。


 「蒼、晩餐会の時間だ。」


 「はいはい、字面はかっこいいかもしれないけど今は昼だからな。」


 仁も龍矢と同じようにして弁当を広げた。


 ちなみに俺たち三人は全員が弁当派で、学食を使うということがあまりない。


 まぁ、学食はほら、昼休みになったとたんに戦争ですから…。


 俺は昼飯のために死にたくはないのである。


 「それにしても、蒼、さっき寝てたでしょ~。」


 そんなことを考えていた俺に龍矢が声をかけてきた。


 「あはは、化学基礎はどうも眠くてな。」


 「ちゃんと起きてないとだめだよ?ただでさえ化学基礎苦手なんだから。」


 「そうだな、気をつけるよ。」


 「まったくだ、授業で寝るなど馬鹿のすることだぞ。」


 俺と龍矢の会話に仁が割り込んでくる。


 「「お前も寝てるだろ。」」


 そして、俺と龍矢から同時に突っ込みを受けるのだった。


 「しかもお前のはあれだ、爆睡だからな。教師も呆れ果ててお前のこと指名しないだけだからな。」


 俺はそう付け加えて、さらに追い討ちをかけておいた。


 「フッ、俺は組織との戦闘のために体力を蓄えているだけだ。」


 そして、それがまるで当たり前だとでも言うように仁はそう返してくるのだった。


 「「はぁ…。」」


 今日もまた俺と龍矢は仁のせいでため息をつくのだった。

 

       

 最後まで読んでいただきありがとうございました。次回があればよろしくお願いします。

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