激闘
「俺が名乗らしといて何なんだが..... 冥土の土産とか言ってて恥ずかしくないの?」
「五月蝿い!これだから野蛮な東洋人は!下品で敵わない!」
「キザな西洋人に言われたくねぇよ..... 」
「黙れ!茶番はここまでだ!悪いが君には死んでもらうよ!」
「断るね!そう簡単に死ぬわけにはいかないんだ。俺も本気でいかしてもらうぞ!」
「行けッ!ゴーレム!」
エルバートが腕を降り下ろすとゴーレムは火神目掛けて拳を降り下ろした。
「お前の神霊はまだ解らないがそんな遅い攻撃じゃ俺には当たらないぞ!」
火神はゴーレムの拳を右に避け、ゴーレム目掛けて走り出した。
「バカめ!自分から突っ込んでくるとは!」
ゴーレムに突っ込んだ火神はゴーレムの左足目掛けて拳を握りしめた。
その瞬間殴られたゴーレムの左足は突如として爆発し始めた。
ゴーレムは砕けた左足から崩れいくつかの大きな岩になった。
「爆発!?だがこれではっきりした!お前の神霊は炎!もしくはそれに関連するもの!」
「正解だ。俺の神霊はギリシャ神話炎の神プロメテウスだ。まぁ、俺の場合は少し改良して触れたものを爆弾に変えることができるだがな」
「なるほど、さすが代表生だな。だがこれならどうだ?」
そう言うとエルバートは回りに落ちている岩に触れるとその岩はいくつもに集まり大きな岩の固まりになっていった。
そして、そこにはいくつものゴーレムになっていた。
「君を倒す方法は手数で攻めることだ」
ゴーレムの数は三体。
さっきの奴よりは小さいが潰されてしまえば同じことだ。
「三体同時でも操れるのか.....厄介だな.....」
「ふっ、潰されろ!やれ、ゴーレム!」
エルバートの合図と同時に攻撃を開始した。
(このゴーレムを一体ずつ相手にするのは難しい、これは狙いを絞ろう)
俺は正面のゴーレムの攻撃を横に避けず正面に向かって転り相手の股の間を潜るように避けた。
(俺が狙うのはエルバート.....ただ一人!)
最初のゴーレムを潜り抜けると次に二体のゴーレムに対面する。
だが、この距離なら射程距離内!
こっから、エルバートを狙える。
そう思うと俺はポケットの中からいつもの武器を取り出した。
それを俺はエルバート目掛けて思いっきり投げた。
「飛び道具!?だが、そんな物当たるか!」
エルバートは体を傾けて俺が投げたそれを避けた。
だが、それすらも予想どうり、俺が投げたそれは後ろの瓦礫にぶつかるとエルバートの方へ弾き帰ってきた。
そう、俺が投げたそれはスーパーボールだ!
(相手は気づいてない!当たる!)
そう思った時、俺のスーパーボールは一体のゴーレムによって防がれた。
スーパーボールはゴーレムの腕に阻まれると大きく爆発した。
「なに!防がれた!?」
「後ろから攻撃だと!?」
後ろから攻撃?気づいてゴーレムで防いだんじゃないのか?ゴーレムが自分からエルバートを守ったと言うことか.....
それなら相手の神霊はかなり絞られてきた!
いや、おそらくそれで正解だ!
「お前の神霊が大体解ったぜ。お前の神霊は生命!無機物に命を能える力だ!」
「ほぅ、よくわかったな。正確だ。僕の神霊はガイア、大地の女神ガイアだ!」
「母なる大地とはよく言ったものだな」
「なぜ僕の神霊が生命を司っているとわかった?」
「簡単さ。俺が後ろから仕掛けた攻撃にお前は驚いていた。つまり、自分の意思でゴーレムに守らせたわけじゃなく、ゴーレムが自分からお前を守ったと言うこと。最初は岩などを操る能力かと思ったがそれは違った。ゴーレムは自分で考えて動いた、だから視角からの俺の攻撃を防げた!」
パチッ、パチッ、パチッ.....。
エルバートは良くできましたと言いたげに手を叩いた。
「よくわかったねぇ.....だがそれがどうした!君がさっき投げた玉、糸のようなものは見えなかった。つまり、自力で戻ってきたってことだおそらく壁に弾んでな。君の武器は予想はスーパーボール!もしくはそれに近いものだろ?」
「あれ?バレてたんだ..... 」
俺は精一杯余裕の笑みを浮かべた。
(まさか一発でバレてしまうとは.....流石、代表生と言うところか.....)
「ふっ、余裕をぶっているようだが、調子に乗るなよ?僕の神霊がわかったからって何だと言うんだ!君の武器も、もう効かない!これで振り出しに戻っただけじゃないか!」
「それはどうかな?」
「強がるな!忘れてるようだな君の後ろのゴーレムを!」
ゴーレムはその掛け声と共に拳を振り落とした。
「別に忘れてなんかいねぇよ」
俺はそう言い指をならしたその時。
俺の後ろゴーレムの足元から爆発がおきた。
「なに!?いつのまに!?」
「簡単なことさ俺がゴーレムの攻撃を避けて転がった時に地面に触っておいた。つまり、地面を爆弾に変えたってことさ」
「ちっ!なら、これでどうだ!」
そう言うとエルバートはビルに絡まっていたツルをいくつか引きちぎるとツルは蛇のように動き出した。
「行け!やつの動きを捉えろ!」
蛇は地面を這い俺の方へやってきた。
「俺が地面に仕掛けておいた爆弾が1つだけだと思ったか?」
パチッ
俺が指をならした次の瞬間、蛇たちは爆発に巻き込まれ粉々に散った。
「まだだ!陸が駄目なら空中からの攻撃ならどうだ!」
エルバートは回りに落ちている落ち葉に触れるとそれは1つに集まり鳥の形になった。
「これならどうだ!」
鳥は空中に飛び上がると一直線に俺を目掛けて突進してきた。
俺は空かさずポケットからスーパーボールを取りだし、木の葉の鳥に投げた。
「そんなもの当たるか!」
鳥は体を傾けてスーパーボールを避けた。
「それで避けたつもりか?」
パチッ
俺は指をならすと鳥に触れてもいないスーパーボールは爆発した。
「なに!?」
「俺が触れたものは俺が好きなタイミングで爆発できるんだよ。お前の攻撃は俺には通じない、俺の勝ちだなエルバート」
「それはどうかな?」
次の瞬間、俺の脚は無数の蛇に巻き付かれていた。
「さっきの鳥は囮だ。君が空中に気を引かれてる内に地面から蛇を行かせていたんだ」
蛇は徐々に上の方に上がってきていた。
俺の腰の所まで上がってきたところで耐えきれず俺はそこに膝ついた。
「これで終わりだ。さっきから僕たち以外にもいくつかの神霊を感じる。他の代表生にも見られてるようだ。ここで手こずるわけにはいかない!」
エルバートは動けなくなった俺を見るとこちらに近づき挑発するように俺を見下ろした。
「終わり?まだ終わったって決まってないぜ?」
「強がるな、すぐに殺してやる!」
エルバートは腕を上に挙げ降り下ろそうとしたその時、俺は手のひらに握った砂をエルバートの顔目掛けて投げた。
「ちっ!目眩ましか!」
「目眩まし?違うね、これでお前は終わりさ」
次の瞬間、俺が指をならすと同時に突如エルバートはいくつにも爆発した。
「俺の力の利点は爆発の大きさじゃない、爆発自体は小さいが俺の触れたものは例えどんなに小さくても同じ威力を持って爆発する。お前の敗因はそのプライド故の油断だ」
エルバートが倒れると脚に絡まっていた蛇も他のゴーレムたちも元の岩やツルに戻っていった。
(体がへとへとだがエルバートが言ってたとうり何人かに見られてるようだなすぐにここを離れた方がいいようだ)
俺は急いでその場を離れることにした。
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祐時は目の前で起きていた出来事に唖然としていた。
「あれが神霊.....ありえねぇ!人が人を殺すなんて!」
「今、起こったことは現実よ。それよりここを一度離れましょ、私たち以外にもさっきの戦いを見ていた人がいるみたい」
「待てよ!俺はまだこの可笑しな世界について全然説明してもらってねぇぞ!」
「説明はちゃんとするわ。一度安全な場所に移動するだけよ」
「ちっ!」
俺はしぶしぶ槍山にしたがい
槍山に続いてビルから降りた。