世界
今回はすこし微妙かもしれませんが。
どうか楽しんでください。
無数の人間が蔓延る場。世界は全てを容認する。
正義がある、悪がある、正義を悪が討ち、悪が正義を蹂躙する。世界は容認する。
人が生まれる、人が死ぬ。世界はそれを容認する。
何もかもがある、何もかもがない。世界はそれを容認する。
そこにあるものが何であろうとかまうことはない。
ただ容認するだけなのだ、世界というものは。
故に背反の事象が存在し、拒絶という言葉が散乱する。
世界はブラックホールのようだ、何もかもを飲み込んでいく。
言い得て妙なこの比喩、どう感じる事があろうか。その意味を考えよう。
世界は全てを容認する。世界は全てを受け入れる。世界は受け入れたものを離さない。
一度世界に取り込まれてしまえば待つのは永遠という時間と、摂理というなの不条理。逃れられる術など有るはずがない。世界は全てを、拒絶も逃避も隔離も閉鎖も、容認する。
世界は容認する。故に世界は一度容認した物の全ての意志を容認しない。
絶対とは世界、世界とは絶対。二つの事柄は常に同じ地平にある。未来永劫、いや、世界創誕から世界終焉にかけてまで離反することはない。そう、将に絶対に。
あなたは生きていると言い切る事が出来ますか? それは何故ですか?
もし知っているなら、きっとあなたは、苦しんでいる。
苦しんでいるからこそ、楽しんでいる。
きっと、それが全てだ。
そう、信じる。
<完>