第5話:『千里の極地、リィネの瞳と「因果の解体」』
聖域を浄化し、ミーニャが王族の翼を取り戻したその夜。
テツクズ・マークIIの屋上で、リィネは一人、夜空を見上げていた。
「……シュウ様。私、怖いですわ」
背後に立ったシュウに、彼女は震える声で漏らした。
「ミーニャさんの影は光り、エレインさんの耳は精霊の声を聴き、フィオナ様の重力は山を動かす。……でも、私はただ『視る』ことしかできません」
リィネの千里眼は、あくまで情報の収集だ。敵が強大になればなるほど、「勝てない未来」を鮮明に視てしまう恐怖に、彼女は苛まれていた。
そこへ、地響きと共に現れたのは、泥に完全に精神を支配された**『古の獣王・バハムート』**の残影だった。
「……リィネ。……お前が視ているのは『結果』か? それとも『過程』か?」
シュウは静かに問いながら、彼女の瞳に指を触れた。
「……俺の包丁は、境界を解体する。……お前の瞳なら、その『境界の隙間』が視えるはずだ」
直後、バハムートが放つ絶望的な一撃が一行を襲う。
フィオナの重力さえも弾き飛ばす圧倒的な暴力。だが、シュウは動かない。
「視なさい、リィネ! 貴女の瞳は、逃げるためにあるのではないわ!」
フィオナの叫び。
「……リィネ、信じてる。……一緒に、風を視よう」
ミーニャが影の翼でリィネを包み込む。
その瞬間、リィネの金色の瞳が、青白く燃え上がった。
彼女が視たのは、敵の動きではない。世界を構成する「因果の糸」そのものだった。
実はリィネは、獣人国でも失われた「天狐」の血を引いており、その瞳は**「未来を視る」のではなく「望む未来へ因果を捻じ曲げる」**力を持っていたのだ。
「……視えましたわ。シュウ様、そこです! 七歩左、三寸上! 運命の継ぎ目を斬ってくださいまし!」
リィネの指し示した「空白」に向けて、シュウが包丁を一閃させた。
本来なら当たるはずのない空間。だが、そこを斬った瞬間、バハムートの巨体が内側から弾け飛び、泥が霧散した。
「……お見事ですわ。……ふふ、ようやく、皆さんの背中を追うのではなく、隣に立てる気がします」
狐耳を誇らしげにピンと立て、リィネが優雅に一礼する。
【今回のキャンプ飯バフ・ステータス更新】
メニュー:獣王のハツ(心臓)の低温調理・香味ソース
獲得効果:【因果の直感】(回避率+90%)、【命中精度・極】
名前:シュウ
レベル:25→35
パーティ状況:
リィネ:【真・千里眼】覚醒。敵の「弱点(継ぎ目)」を可視化。
新合体技:【シュウ&リィネ:因果解体・一刀両断】




