真・最終回:『四つの味、一つの心。境界を越えた約束の指輪』
テツクズ号の展望デッキ。
今夜、シュウは四人のヒロイン全員を、正装でディナーに招待した。
テーブルに並ぶのは、これまでの旅のすべてを凝縮した『四重奏のテリーヌ』。
「……みんな。……今日、ここで伝えたいことがある」
シュウが静かに口を開くと、賑やかだった食卓が、一瞬で厳かな静寂に包まれた。
フィオナが、震える手でワイングラスを置く。
ミーニャが、長い銀の耳を伏せ、シュウの目を見つめる。
リィネは千里眼を閉じ、エレインはパタパタと鳴っていた耳を止めた。
「……俺は、ずっと『味』を追い求めてきた。……不味いものは斬り、美味いものを皆で分かち合う。……その境界線で、俺を支えてくれたのは、お前たち四人だ」
シュウが懐から取り出したのは、神の心臓の結晶と、彗星の砥石で磨き上げた四つの『境界の指輪』。
「……一人を選べなんて、そんな不味い選択肢、俺の包丁じゃ捌ききれない」
シュウが立ち上がり、一人ひとりの前に跪いた。
「フィオナ。お前の重すぎる愛が、俺の背負う世界の重さを教えてくれた。……俺と一緒に、新しい王国の味を作ってくれ」
「……っ! ……はい、喜んで……!」
「ミーニャ。お前の影が、俺の孤独を埋めてくれた。……一生、俺の影として、そして妻として隣にいてくれ」
「……ん。……ずっと、離さない」
「リィネ。お前の瞳が、俺に最高の未来を視せてくれた。……これからの因果は、全部俺たちで書き換えよう」
「……ふふ、予知通りですわ。……でも、今のドキドキだけは予測不能でしたわ」
「エレイン。お前の耳が奏でる風の音が、俺の料理を完成させてくれた。……世界中に、俺たちの幸せな音を響かせようぜ」
「……もう! ……バカシュウ! ……最高に良い音、聴かせてあげるんだから!」
最後に、シュウは少し照れくさそうに笑った。
「……四人全員、俺の『正妻』だ。……文句あるか?」
「「「「ありませんわ!!(ん。/あるわけないじゃない!)」」」」
夜空にテツクズ号の汽笛が鳴り響く。
ガストンが操縦席で「ガハハ! これでこそ俺の相棒だ! 祝い酒だー!」と、特大のシャンパンを抜いた。
境界の調理師、シュウ。
四人の愛しき妻たちと共に、彼の人生という名の「フルコース」は、今、最高に甘いデザートの時間を迎えた。
――『魔物喰いの境界線』 大団円(完)
【真・最終回リザルト(修正版)】
獲得称号:【四つの至宝を射止めた男】
獲得スキル:【四妻の聖域】
シュウの独り言:……指輪を四つ用意するのは、神の心臓を解体するより神経を使ったが。……まあ、お釣りが出るほど幸せだからいいか。




