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後日談その6:『テツクズ号、温泉街へ行く。~混浴の境界線~』
テツクズ号が立ち寄ったのは、魔界の熱源を利用した絶景の温泉郷。
「ガハハ! たまには羽を伸ばせ!」というガストンの粋な計らいで、一同は巨大な露天風呂へと繰り出した。
「……シュウ様。……背中、流す」
湯気の中から現れたのは、タオル一枚のミーニャ。虹色の尻尾が水面を叩き、波紋を作る。
「ちょっと! 私もシュウ様の背中を磨く権利を行使しますわ!」
リィネが予知能力でミーニャの動きを先読みし、割り込む。
「……あぁ、……湯気に中てられて、未来が桃色に霞んでいますわ……!」
「……皆様、……お静かに。……ここからは私の重力圏。……誰もシュウに近づけさせませんわよ」
フィオナが重力で湯船の水を操り、シュウ以外の全員を押し流そうとする。
「ちょっと! 私の耳がふやける前に、シュウに触らせなさいよ!」
エレインも参戦し、温泉はもはや戦場と化した。
「……おい。……ゆっくり浸からせてくれ」
シュウが溜息をつき、お湯を一口掬って味見した。
「……ふむ。……微かな硫黄と魔力の出汁。……これで茹でる温泉卵は、最高に美味くなりそうだな」
結局、シュウは揉み合うヒロインたちを尻目に、風呂の隅で究極の温泉卵を作り始めるのだった。




