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後日談その2:『重力姫の隠し味・禁断の夜食編』
深夜、テツクズ号のキッチン。
シュウが明日の仕込みをしていると、背後に「ずしり」と物理的な重圧がかかった。
「……シュウ。……寝付けなくて。……少し、お腹が空いてしまいましたわ」
現れたのは、薄手のネグリジェを纏ったフィオナ。彼女の重力魔法が無意識に漏れ、周囲の調理器具がふわふわと浮いている。
「……フィオナ、夜食は太るぞ。……王女の体型管理はどうした」
「貴方の料理の前では、王女の矜持など塵に等しいのですわ。……さあ、私を甘やかして」
シュウは溜息をつきながら、神の涙を煮詰めた『黄金の林檎』をスライスし、とろけるチーズと一緒にトーストした。
「……ほら。……『背徳の黄金アップルチーズ・ホットサンド』だ」
「……っ!! ……サクッとした後に、暴力的なまでの甘みと塩気……! ……シュウ、これ、私の理性を解体する気ね……!」
フィオナは熱々のサンドを頬張り、重力でシュウを自分の方へ引き寄せる。
「……ねえ、シュウ。……今夜は、私の重力圏から逃がしませんわよ?」




