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魔物喰いの境界線Ⅱ ~卒業した俺と五人の愛しき乙女たち。世界最速の移動拠点(テツクズ号)で巡る、未知の食材と神殺しの美食旅~  作者: ヒデまる


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後日談:『テツクズ号の朝、六人分(?)のフルコース』

新世界へと書き換えられた空は、どこまでも澄み渡ったクリスタル・ブルー。

 世界最速の移動拠点『テツクズ・マークII・アブソリュート』は、現在、未踏の浮遊島群を眼下に、優雅な自動巡航を行っていた。

「……ふわぁ。……シュウ様、おはよう。……お腹、空いた」

 キッチンに一番乗りしたのは、寝癖で銀色の耳をハネさせたミーニャだった。彼女はまだ半分夢の中といった様子で、シュウの背中にトテトテと抱きつく。

「……おはよう、ミーニャ。……今、神の涙で漬け込んだ『次元サーモン』を焼いてるところだ」

「……ん。……いい匂い。……一生、この匂いの中で暮らしたい」

「ちょっとミーニャさん! 抜け駆けは禁止ですわ!」

 そこへ、教会の聖女らしからぬパジャマ姿のリィネが、千里眼(予知)をフル稼働させて滑り込んできた。

「……リィネ、……お前、千里眼を『おかずの先取り』に使うなよ」

「仕方ありませんわ! シュウ様の作る朝食は、因果律を乱すほど美味しいのですから!」

 賑やかになるキッチン。そこへ、バタバタと騒がしい羽音が響く。

「シュウ! 今日の風の味、最高よ! 精霊たちが『パンケーキに雲のハチミツをかけて!』って大合唱してるわ!」

 エレインが窓から飛び込んできそうな勢いで現れ、彼女のパタパタ耳がリィネの頬をぺちぺちと叩く。

「……皆様、朝から元気ですわね。……でも、シュウの隣は『正妻』である私の特等席ですわ」

 最後に現れたのは、誰よりも重厚なオーラ(と物理的な重力)を纏ったフィオナ。彼女はシュウの反対側の腕をがっしりとホールドし、至近距離で見つめる。

「……おい、フィオナ。……腕を掴まれると、卵が上手く返せないんだが」

「あら、私の重力魔法で卵を浮かせておきますわ。……それより、一口、あーん……してくださる?」

「ガハハ! 相変わらず熱いねえ! ……おっとシュウ、エンジンの調子は最高だ。……次はどこの『未知の味』を解体しに行くんだ?」

 ガストンが操縦席からジョッキ片手に声を上げる。

 シュウは、四人の愛しき乙女たち(と一人の暑苦しいドワーフ)に囲まれながら、ふっと口角を上げた。

 かつて孤独に魔物を喰らっていた少年は、今、世界で一番贅沢な「食卓」の真ん中にいる。

「……よし。……まずは朝飯だ。……それから、世界の端にあるっていう『食べられる虹』でも探しに行くか」

「「「「「「賛成!!」」」」」」

 テツクズ号は、笑い声と美味しそうな香りを引き連れて、新しい空へと加速していった。


【後日談バフ・ステータス】

メニュー:絆を煮込んだ「家族の朝食セット」

獲得効果:【永劫の幸福】(全員の仲が良すぎて、テツクズ号が狭く感じる)


シュウの独り言:……これだけの人数分を作るのは、神を解体するより疲れるな。……まあ、悪くないけどな。


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