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ガングリップ スミエの こだわり

作者: 鬼魔暮毒彩
掲載日:2025/11/25

 スミエがその釣竿と出会ったのは半年ほど前になる。元々家族で釣りに行くことも多く 幼い頃から釣りになじんでいた 父は普段はヘラブナ釣りをしており 家族て釣る時は海釣り公園に 家族を連れて行った。その時現場を仕切ったのは 母であった。母はルアーや投釣りをしていて 2人の兄たちに釣りを最初に教えたのも母であった。スミエは最初に父にサビキ釣りを教わった。その後も家族で釣りに行く時は 母と兄たちは釣りに集中 父がスミエのおもりであった。

 兄たちは2つ違いだがスミエと下の兄とは7つ違う。それもあってスミエのおもりは父になったようだ。そんな父だが子供たちにヘラブナ釣りは教えなかった。自分が集中したいのと ヘラブナの道具を子供たちにさわらせたくなかったらしい。

 そのような環境で育ったせいで スミエも高校生のころには 仲間と釣りに出かけるようになっていた。ルアーが多くじぶんのタックルも持っていた。スピニングリールもベイトリールも使いこなし ブラックバスは50アップ シーバスも90アップをしとめている。

 そんなスミエは高校から専門学校に進みプログラミングを学んだ。卒業後は派遣会社に所属し わりとノンビリ仕事をしている。親と同居で 兄2人もまだ家にいる。母も働いていて スミエが母の代わりに家事をする事も多かった。家族にして見れば 家事中心で自分の小遣いを稼いでくれればイイぐらいの感覚である。

 仕事帰り立ち寄ったリサイクルショップに それはあった。古いグラスロッドで面白い握りがついている。メーカーもわからないが なぜかこころひかれて見ていると 店主のオヤジさんが 声をかけてきた。

店主「面白い竿だろ。ガングリップっていうんだ」

スミエ「ガングリップ?」

店主「ほら握りがピストルの握りみたいだろ。だからガングリップ」

スミエ「へ〜」

店主「むかしは良くあったけど いまじゃつくってないね〜 こんなリールつけて使うんだ」

そう言って店主はスピンキャストリールをとりだして 竿につけて見せた

スミエ「ベイトリールとはちがうの?」

店主「ベイトとスピニングのあいのこみたいなリールで 1ばんかんたんなリールって言われてる」

スミエ「へ〜 おもしろ〜い」

店主「このリールは安いやすいやつだから セットで1500円」

スミエ「買った」

こうしてスミエはカングリップの竿とスピンキャストリールを手に入れた。

 店主のオヤジがスピンキャストリールの使い方やメンテナンス よく起きるトラブルなどを教えてくれた。

店主「こいつを使いこなすには ワンハンドキャストができた方がイイよ。練習しだいだね」

スミエはガッツポーズを店主に送り店を出た。

 

 それから半年 ネットでもイロイロと調べて使い方はマスターした 古い竿なので 長さ168cmの竿にガイドが4つしかない 釣具店でガイド

を買い7つにした。リールには油をさしラインは新しくまきなおした。タイプを選べばベイトリールも着けられる事がわかり ワンハンドキャストもマスターした。 が・・・このタックルでの釣果はゼロである。

 釣果ゼロでも このタックルは好きであった。キャストして ただ巻くだけ トゥイッチやジャーキングはトラブルが起きやすい。そうやって釣っていると 腰の曲がったお爺さんが声をかけてきた。

爺「ルアーは何投げてんだい?」

スミエ「いまはミノーです。あとはバイブとか」

爺「スプーンはないの?」

スミエ「もってないですね~」

爺「これ 使ってみな」

そう言ってさしだしたのは 1個のシンチュウ製のスプーンだった。

 ヨーロッパではルアーの始まりは ハイキングに行った時 あやまって湖にスプーンを落としたら それに魚が食いついた。それをヒントに開発されたのが スプーンと言うルアーと言う説が定番である。

スミエ「おかりします」

爺「そのスプーンは15g程度ある。ベイトリールでも投げやすいよ」

スミエが軽くワンハンドキャストすると スプーンはピューととんで それまでのミノーより明らかに遠くに着水した。スミエがリールを巻いてくると

爺「今度は着水したら5つ数えてから 巻いておいで。カウントダウンじゃ。その後は10・15と深く沈めてから巻き始める それがスプーンの基本じゃよ」

 言われるままにカウントダウン5でまいてくると ググウーと引きがあり さんざんドラグを鳴らして釣れてきたのは40cm弱のセイゴ

スミエ「つれた〜〜〜っ」

スミエは満面の笑みをお爺さんに送った。お爺さんはニコニコして

爺「おめでとさん それは記念に上げるよ」

スミエ「ありがとうございます。大切にします」

 釣った魚の写真を撮り リリースしてすぐにキャスト カウント5で巻いてきたが今度は不発

スミエ「今度は10でいきます」

とお爺さんを見ると いない あたりを見回しても どこにもいない。とりあえずリールを巻いていくとグイーンとアタリ そしてグイグイという引き 釣れてきたのは50cm近いニゴイ

 スミエは改めてあたりを見回したが お爺さんはいなかった。ただ 手元にもらったスプーンはある。シンチュウの板でつくられたスプーンが・・・

 

 それからスミエはスプーンの虜になった。いくつも色々なスプーンを買い つかっている そんなに釣れるわけではないが スプーンで釣れると嬉しさが大きく感じる。お爺さんには その後会ったことは無いが もらったスプーンは 大切に家に飾ってある。



 

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