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顔合わせ

女中に案内されたのは、門の左側にある座敷だった


月子は女中に案内されて門を入り、その先の細く長く暗い道を歩いた


どこか怖い道の先にある回廊を左に折れると、先ほどの道の左側になっていた建物へと入る


女中が引き戸を開けるとその先は土間で、更に障子を開けてもらうと座敷には既に妃たちが揃っているようだった


1部屋に集められた妃たちは、みな一様にどことも知れぬ方へ視線を投げていた


目の前には、閉じられた障子

部屋の四隅には衛兵が控え、座敷の入り口の方の障子には使用人らしき女の子たちが立って控えている


彼女たちは、月子やこれから輿入れする殿下と同じ14、5歳くらいに見え、みな揃いの前掛けをしていた


月子が一番最後らしく、何となく空いた空間に座り、ぼんやりと目の前にある障子戸を眺める


ふと後ろを見ると、案内に立ってくれた女中が入り口に控えていた


彼女だけが月子の母くらいの年齢で、前掛けもなく華やかな羽織を羽織っている


月子が振り向くと優しく微笑み頷くので、まるで本物の母みたいだと月子は思った


しばらくすると、どこからか拍子木のような音が2拍して、衛兵がさっと障子を開けた


向こうには月子と同じくらいの男の子が5人、妃たちと向かい合うように座っていた


他の妃たちは彼らの姿が見えると、何かを察してすぐに平伏し、月子も1拍遅れてそれに倣った


おもてをあげて」と、優しい声がして、妃たちは一斉に顔をあげた


声の主は月子の前に座った男の子だった

薄緑の狩衣に、閉じた扇子を持って微笑んでいる


彼は、顔合わせがしたかったのだと言った

輿入れではあるけど、みな大体普段着てるような服装です(貴族なので)

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