表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/90

月子は藤の家から輿に担がれて宮へと入った


周りを使用人で固めて、わざとらしく往来を行き、都の真ん中にある太く短い大通りへと入る


大通りへの検問を通過すると、そこは政務を執り行う宮へと繋がり、宮はその奥にある陛下や妃の御座所にも繋がっていた


月子たち一行は、そこを早々に左に折れてまた門へと入る


大通りを挟んで2つずつある門のそれぞれが、御子の宮への入り口になっているのだ


第一の門を入ると小屋のある広場に出る

そこで不要な使用人たちは返され、荷物を運ぶのに必要な使用人だけが残される


宮の護衛たち数人が、月子にうやうやしく頭を下げて挨拶をした


それから月子に了承を取ると荷物を小屋に運ぶように指示をして、輿入れの荷物も全て検められることになった


月子は2番目の門の向こうにある大きな柿の木に目をやり、思わず足を向けた


それを「まだいけません」と、護衛が止める


月子は軽く微笑んで、柿の木が気になっただけだと話した


すると護衛は、月子を門の端まで案内してくれた


扉はあるが、門というより家の間を通る路地といった雰囲気で、暗く細く切り抜かれた枠に柿の木がポツンと一つ


その向こうには、小さな平屋が一つあるようだった


月子が切り抜かれた景色に、どこか懐かしいものを感じていると、検査の終わった使用人と長持ながもちとが横を行き過ぎ、視界を塞ぐ


ぼんやりとその様子を眺めていると「お妃さまはこちらに」と、宮の女中が声をかけてくる


年は月子の母くらいだろうか、後ろで緩くまとめた髪に、華やかな羽織を着ている

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ