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翌日
翌日は土曜日だったので、月子はのんびりと過ごした
はなは午前だけ仕えたあと、1日半のおやすみだというので、午前中に化粧びんのことを聞いておく
午後はマツバと、お互いの本をやり取りした
月子は変わらず藍の絣を着ているが、マツバは今日はおやすみだからか、濃い灰色の着流し姿で随分ラクそうな装いだった
はながいないからといって、お付きもいなくなるわけではなく、午後からはマツバのお付き、てるが来ていた
お付きとはいっても、マツバは弟のように接して、一緒に書を書いて遊んでいたりした
月子もマツバも気にせず、お互いの部屋の戸を開け放し、お互いの様子を見るともなしに見ていた
てるはマツバの言うことなら何でも聞くといった風だったが、ちゃんとお付きとしての仕事も忘れなかった
迎えが来るまで勤めを果たして、うやうやしく挨拶をしてから下がる
月子は、はながびんの中身は香油や香水だと言ったので、好きな匂いをまとってから眠った