17/90
これから
「マツバさんや、他の方々はふだん何をされていらっしゃるのですか?」
月子が尋ねると、マツバは平日は出仕していると答えた
「これまでは半日。半日出仕して、半日は勉強。これからは全日出仕をして、てるが同じように半日出仕をして私たちが面倒を見ることになる」
月子はまた頷いた
「それで、私ふくめ、姫たちは何をするのでしょう?」
そう聞くと、マツバは「はな」と、はなに話題を振った
「殿下、月姫さまはお勉強はもちろんですけど、他はそのまま手習いを続けていただければと存じます」
はなは、軽く頭を下げながら答える
「あの…私習い事なんてそんなに…」
月姫が言うと、はなは「では…」と嬉しそうに顔をあげた
「姫さまの教育係と話をして決めましょう」
月子は、うっ…と仰け反ったが、姫君に手習いは付きものだからとマツバも言う
「月姫の親族には、お医者さまが多いんだ。だから、勉学のほうに力を入れておられたんだと思う」
マツバがはなに、そう説明すると、はなは納得したように頷いた
そして、おかわりはいかがですか? と尋ね、2人がいらないと首を振ると御膳だけを残して下がった