月子の話
2023/9/29 最後を幼くして、に変えました
(他で年齢の話が出てなかったので)
マツバが素性を尋ねると、あっさりと月子は白状した
別に口止めもされていなかったらしい
代々医者の家系で、自分は病が流行ったので都に身を寄せることになった、と
「父は、宮中で少しばかり医者をしておりました。そのあと父は、あとを継ぐため田舎へ帰りましたが、叔母は都の貴族さまに見初められていて…」
そこでまぁ、厄介払いとして丁度いいと、ここに入れられたのだろうとマツバは思った
「その格好は?」と尋ねると、これしか持ち合わせがなかったとはにかんだ
「凄く失礼な話ですけど、どうせ大した人は充てがわれないと思って…」
彼女は、でもマツバを見て、らしくするのもつとめかもしれないと思ったと言う
しかしマツバは首を振った
「わざとらしくなくするのも面白いよ」
マツバ含め、5人の中に本物の殿下がいて、もし本当に危ないのだとしたら、かき回せるだけかき回せばいいとマツバは思う
マツバだって、誰が殿下なのか分からない
殿下だけは分かっているのかもしれないが、幼くして親と引き離されたのだ、本人も知らないのかもしれないとさえ思う