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虹の橋

作者: おりさくみづき

天国の少し手前に「虹の橋」と呼ばれる場所がある。


生前 あなたと寄り添っていた動物が 死を迎えたのち そこへ旅立つのだ。


虹の橋のほとりには 草原や丘が広がり あなたの大切な友は 他の仲間と一緒に 走り遊んでいる。


たくさんのごちそうと水 そして燦燦とふりそそぐ陽光のもと 彼らはい心地の良い暖かさに包まれている。


生前 病気だったり 年老いていた動物たちも ここでは健康と若さを取り戻す。


ケガをしたり 身体が不自由だった動物もかつての完全な力強い体に戻っている。


あなたが今も思い出す 夢のようなあの頃のように…。


動物たちはみな とても幸せで 満ち足りた時を過ごしている。


たったひとつ 小さなシコリのような想いを除けば…。


それは 別れを告げなければならなかった かけがえのない人への恋しさ…。


彼らはいつものように走り回って遊んでいる。


だがある日 そのうちの1匹がふと立ち止まり 遠くを見つめる日がやってくる。


彼の輝く瞳は しっかりと何かをとらえ やがて身体中が喜びで震える。


やがて彼は唐突にグループの輪から離れ 青々とした草原を疾走する。


どんどん速く もっと速く…。


そう ついにあなたは大切な友に再び巡り逢ったのだ。


そしてあなたたちは 二度と別れることはない再会にしっかりと抱き合う。


あなたの顔中に降り注ぐ友のキスの雨。


あなたは両手で愛する友の頭を優しく撫で そして大切な友のあなたへの信頼に満ちた瞳の奥をしっかりと見つめる。


ずっと昔に別れたけれど 決して忘れることのなかった特別な友の瞳を…。


やがてあなたたちは 共に虹の橋を渡り 天国へ向かうのだ。



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