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第三部  僕の心臓が動いていることと、僕が狙われだしたこと    作者: 狼の土偶
第二章 え⁉ 異世界に召喚が現実にあるの?
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矢口泰河の家

「藤木は二年生のある日、数人の男たちに襲われます。それを俺は阻止したい」

「な、そんなことが………てか、未来のことだろ? 何でそれが分かるんだよ」

「樹、ゆっくり話をさせてやろう。矢口———泰河が困っているよ」

「大丈夫です————その、ラノベとか漫画やアニメで、異世界召喚ってあるじゃないですか。あれって、現実の世界で本当に起こっていることなんです」

「ちょっと待て、確かに俺らは翔といて、それまでの常識は覆されてきた。でも、そんな召喚までって———」

 少し悟が混乱している。

「もし、これ以上関わりたくなかったら、悟先輩は聞かなくても大丈夫です。ただ、翔先輩だけは聞いてもらいたい」

「いや、俺も大丈夫だ。ただ、あまりにも世界は出鱈目だったって思って……」

「悟、大丈夫? 無理しなくていいよ」

「続けてくれよ。悟は大丈夫だ。俺と悟は翔平の力になるって決めている。どんなことでも受け止めていくつもりだ」

「そうだったな。悪い」

「あ、誰か来たよ」

「俺の弟ですね」

 部屋のドアが開いた。

「兄ちゃん、友達来ているの? 毅とかじゃないって本当?」

 まだ幼い可愛い姿が現れた。矢口とよく似ている。

「慶河、お客さんだから、また後でな」

「でも、俺、兄ちゃんと遊びたい」

 可愛いなあと思った。なんか、明を思い出す。

「じゃあ、俺が遊んでやろうか? 何して遊びたいんだ?」

「本当? ゲームでなかなかできないとこがあるんだ。一緒にやってくれる?」

「いいよ」

 さっきよりもずっと優し気な顔で、樹はベッドから立ち上がって、矢口の弟へ近寄っていった。

「なんか、すみません」

「いいよ。俺も小さな妹いるしさ」

「じゃあ、話は明日にして、みんなで遊んであげようか」

 矢口は僕の言葉に少し驚いた顔をしている。

「えっ、でも……」

「まあ、そこまで急ぎじゃないだろ? 今度、翔の家でもっとゆっくり時間取って話を聞くぞ」

 悟も立ち上がって、矢口の弟と樹の方へ行く。

「とりあえず、連絡先だけ交換しようか? もし、急ぎなら、僕だけでも話を聞くけど?」

 大変なことがあるのは来年の様だし、僕の手伝いということだから、今日じゃなきゃ駄目ってことでもないだろうと僕も思った。

「まあ、それで大丈夫です。それなら、次の日曜とかいいですか?」

「うん。今度は僕の家に来ていいからさ。一日中全部を開けておくよ」

「はい。お願いします」



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