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オリオン座
「お前たちは、随分前に、あれらの星が消えたと思っているようだな」
「えっ⁈ 違うの?」
「あれは、お前たちの目に見えた時と、大差のない時間で消えている—————」
「それは、ルオにとってとかでなくて、僕らが感じる時間で言っている?」
「当たり前だろう。だいたい、十分程度の差か」
「十分⁇ だって、太陽の表面からの光だって、地球に八分で届くのに?」
「まあ、お前たちの常識ではそうだろうな」
「それって、僕たちの常識を、当てはめるなってことだよね……………」
ルオは、時間に干渉を受けなかった、ようなことを前に言っていた。それって、場所や空間も————ある意味、僕だって、瞬間移動ができるから、場所の、距離の干渉を受けていない————それって——————。
「時間も空間も捻じ曲げているってこと? わざわざ僕らに見せる為に?」
「捻じ曲げる————まあ、そう思うのだろうな。だが、捻じ曲げているというのは、正しくない。だが、ある意味正しくもある」