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第三部  僕の心臓が動いていることと、僕が狙われだしたこと    作者: 狼の土偶
第一章 自分でコントロールできない意識下
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見える様になったさくら

「さくらが見えるのは本当よ。しかも、さくらが見えるものを、私も見ることができるの。さくらの手を掴んでよーく見ないと見えないけどね」

「マジか————俺、水瀬に当分近づかないでおくわ」

 樹は冗談半分に言った。

「そうね、河野は安心できないから、さくらには近づかないで」

「わーかってるよ」

「もう、そのことは言わないでくれないかな? 樹だって、被害者だよ。操られていたんだし。誰が悪いってわけじゃないんだ」

「でも、そういう願望もあったからでしょ」

「奈子、もう終わったことだから。河野君だって、かなりきつかったんだしね」

「分かっているけどさ————」

 佐々木は納得がいかないという顔をした。さくらの側から立って見れば、そう思っても仕方がないのかもしれない。でも、僕は樹がこれ以上苦しむのは嫌だった。

「今日は、そのことを話しに来たわけじゃないだろ?」

「悟の言う通りだよ————でも、さっきの、佐々木さんも見えるっていうのが不思議なんだけど」

「うん………前に春休みに奈子と出かけていたときに、凄い怖い感じの幽霊が見えたの。血まみれの男の人で、交差点の中に立っていて————私、見えたときに硬直しちゃって、でも目線もずらせなくてね」

「なんか、どんどん怪談になっていくな———」

 樹が僕と悟の間に割り込んできた。怖いのかもしれない。

「おい、樹、狭いぞ」

「だってよ———」

「いいよ。樹、間に入ってくれば」

 僕は、少し横にずれて、樹を間に入れてあげた。


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