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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
67/79

ハロウィン仮装回

 とある日のことだった。


 「ミコ、起きてですの」


 寝ていた私を起こすのは異世界のお姫様カレン。


 「ん……何?」


 「外に来てですの」


 そんな感じでまだ眠い頭のまま連れ去られる私。

 

 「見てですの」


 部屋から出るとカレンの高揚として声に促される。

 そのさきは、


 「えっ……」


 何と人ならざる者たちが行きかう場所っだのだ。


 「お、お化け……」


 そ、そんなの居るわけない。

 きっと目の錯覚かなにかだ。

 ほら、あの男の人は普通の……


 「……ッ!?」


 と、思ったら全然普通の人じゃなかった。

 さっきは横からだったから分からなかったけど、顔半分の皮膚がない。


 周りにはそんなお化けたちばかりで、中には頭がない人もいる。


 「カ、カレン、ここは……」


 そっか夢だね。夢だよね。

 そうに違いない。そうじゃないとおかしい。夢であって下さい。


 「おーい、ミコー、起きたのか―」


 仄香の声がしてそちらを振り向く。

 するとそこに居たのは全身が包帯でぐるぐる巻きになった人型、マミーだった。


 「……」


 「ミ、ミコ!?」


 驚きのあまり私は気絶してしまった。

 いや、きっと夢から覚めるだけだな。きっと。






 「はっ!」


 「起きましたの、ミコ」


 はっと目を覚ますといつもと変わらむ姿のカレンが目に入ってきた。

 やっぱりあれは夢か。


 そう思ってたんだけど。


 「ミコ、大丈夫?」


 仄香の声で心配そうにかけられる声、それはさっき見たマミーからだった。


 おかしいな。夢からまださめないぞ。


 「巫子?」


 心配そうにカレンが声をかけてくる。


 「ここどこ!?どうなってるの!?」


 そんなカレンに焦りながら問いかける。


 「?学校ですの」


 不思議そうに答えるカレン。

 

 が、学校?妖怪学校とか、お化け学校?


 「どうしたんですの?」


 「どうしたって、何でそんなに落ち着いてるの!?」


 状況が全く理解できない。

 何でカレンは冷静なのか。

 

 「くすっ、もしかして巫子ちゃん寝ぼけてる?」


 くすくすと笑いながらの凪咲の声が聞こえる。

 そんな凪咲は黒いローブと片手に大きな鎌を持っていた。まるで死神だ。


 「寝ぼけてるって……あ」





 

 どうやら私は寝ぼけていたらしい。

 どうしてこんな状況になっているのか。

 それは今日が10月31日、つまりはハロウィンだからだ。

 私が見たお化けとかはただの仮装だった。


 「ぷぷぷ。居眠りしてるからだよ」


 「うぅ」


 「顔真っ赤だよ?」


 「赤くないよ!見ないで!」


 熱い顔を隠し凪咲から逃げる。

 

 「あんなに楽しみにしてたのに忘れるなんてー」


 「そ、それより、皆は何の仮装なの!?」


 これ以上からかわれると顔から火が出そうなので強引に話を方向転換する。


 「露骨だね。ま、これ以上は巫子ちゃんの顔から火が出ちゃいそうだし辞めとくよ」


 「いいから!何の仮装!?」


 「はいはい。私は見ての通り死神だよ」


 やれやれと言った顔で大鎌を見せてくれる凪咲。

 やれやれなのはこっちだよ。


 「私はその、ミコと同じ吸血鬼ですの」


 少し頬を染めながらちらっと鬼歯を見せてくれるカレン。

 

 私の仮装してくれるなんて……。


 「あたしはミイラ男、じゃなくてミイラ女だよ」


 カレンにドキッとしていると仄香が自分をアピールしてくる。

 男と言って、はっとして女と言い直したのが仄香らしい。

 ちなみに制服の上から包帯を巻いているのでいたって健全だ。

 たまに漫画とかアニメのコスプレで肌に直接、何て見たこともあるけど、決してそんなことにはなってない。


 「服の上からじゃなくて残念だったね」


 「そんなこと思ってないから!」

 

 決してそっち方がいいとか思っていたわけじゃない。


 「はぁ、仄香はマミーか」


 凪咲にため息をつきながら呟く。


 「?あたしお母さんじゃないよ?」


 「お姉ちゃん、そうじゃなくて、」


 天然でボケる姉は妹が解説してくれた。

 そんな冷香は幽霊の仮装をしている。

 死装束に頭に天冠をのせたいかにもな格好だ。


 「それで巫子ちゃんは仮装しないの?」


 「そうだね。じゃあ、」


 凪咲に促されて私も仮装する。

 変身能力で一瞬だ。


 「巫女にしてみた」


 「ハロウィン関係なくない?」


 「いいの!現代のハロウィンなんてコスプレ大会みたいなものなんだから!」


 それからはお菓子を食べあったりとハロウィンパーティーを大いに楽しんだ。

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