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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
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金魚すくい

 とある日。私たちはお祭りに来ていた。

 メンバーはいつものカレン、凪咲、仄香、冷香に私を入れた五人。


 「凄いですの。人がいっぱいで、屋台もたくさんデスの!」


 お祭りが初めてなカレンは興奮気味で目をキラキラと輝かせながら周りをキョロキョロと見ている。


 「ホントに!にぎやかだね!」


 そんなカレンに負けないくらい仄香もテンションを高くして目をキラキラと輝かせている。


 「お姉ちゃん、オンマリはしゃぎすぎないでね」


 そんなテンションマックスの姉を落ち着か説ような言葉を口にしているけど、冷香もかなりテンションが上がっているように見える。


 「それじゃあ、最初どこに行く?」


 皆のテンションも高いみたいなので早く屋台を見て回ろうと皆に最初に行く屋台を聞いてみる。


 「う~ん、色々あるし迷うね」


 私の問いかけに周りをキョロキョロと見ながらどこにしようかと迷う凪咲。

 他の皆も凪咲と同じように周りをキョロキョロと見ながら迷っている。


 「カレンはどこか行きたいところとかある?」


 せっかくだし、お祭りが初めてのカレンに最初に行くところを決めてもらおうとカレンに尋ねてみる。


 「え~と……」


 周りをキョロキョロt見ているけど、なかなか決められないみたいだ。


 「カレンちゃんは初めてなんだし、まだ何があるかもわからないんじゃないかな?一回、色々な屋台を見て回る?」


 迷っているカレンを見て凪咲が屋台を見て回ろうと提案してきた。


 確かにカレンは初めてだから最初は軽く色々なものを見て回るだけでも面白いかもしれないかな。


 「それじゃあ行こうか」


 凪咲の提案には皆も賛成の様で、まずは色々な屋台を見て回ることにした。






 色々な屋台を見ながら皆で歩いていると、ふとカレンガ足を止めて一つの屋台を指さす。


 「あれは、何ですの?」


 カレンの指さす先にあったのは金魚すくいの屋台。

 こういったお祭りでは定番の一つの屋台だ。


 「あれは書いてある通りそのままで金魚をすくって楽しむ屋台だよ」


 鍵を傾げているカレンに説明をする。


 「金魚を、すくう?」


 「うん。ほら見て、あのポイって言う神が張ってあるおんで金魚をすくうんだよ」


 他の人たちがやっているのを見ながら説明する。

 説明を聞いたカレンは理解したのか一度頷いてから口を開いた。


 「なるほどですの。あれで金魚を『すくう』ですの」


 ん?なんかにニュアンスが違う気がする。

 今かカレンが言った『すくう』って『救う』じゃないかな?

 そうじゃなくて『掬う』なんだけど。


 「えっと、金魚を水の中から『掬いあげる』んだよ?」


 「?はい。『救いあげる』ですの」


 これは伝わっていない。

 難しい。どう説明すれば伝わるのだろうか。


 「もしかしてこれってダジャレだ!」


 どう伝えようかと悩んでいると突如仄香が大声を上げる。

 その言葉は今何かに気づいたというような感じで、どうやら『掬う』と『救う』がダジャレになってると思っての言葉みたいだ。


 ……今更なの?

 

 「別にダジャレってわけじゃないと思うけど……」


 姉の発見?にツッコむ妹。


 「そうなの?それだったらどっちの意味?」


 妹のツッコミを受けて首を傾げながら疑問を口にする。


 どっちって、『掬う』のほうだと思うけど、確かに言われてみれば分からないかも?

 語源とか全く知らないし、もしかしたら『救う』のほうが語源かもしれない。


 そんあことを考えているとカレンが首を傾げながら訊いてくる。


 「どっちとは、どういう意味ですの?」


 どうやらカレンは『救う』と言う言葉しか頭には出ていないみたいで、『掬う』の方のことには気づいていないらしい。

 

 「えっと、助けるじゃなくて……」


 どう説明しよう?

 『救う』は助けるに治せるけど、『掬う』ってどう直したらいいんだろう?

 えっと、持ち上げる、とかかな?


 




 なんとかカレンに説明をして理解もしてもらえたので、やってみようと言うことになった。


 「よーし!やるぞー!」


 気合十分でポイを持つ仄香。

 七かすぐに破きそうな気がする。


 「ミコ!勝負だ!」


 そんな仄香が何故か私に勝負を挑んできた。

 

 「いいだろう!受けて立つ!」


 その勝負にはもちろん乗る。


 ふふふ。私に勝とうなんて百年早いよ。


 「てい!」


 掛け声とともにポイを勢いよく水に振るう仄香。

 勢いよく言ったのでポイはあっさりと破けてしまった。


 「くそー!」


 悔しそうな仄香。

 こうなることは予想済みだ。

 これほどまでに簡単な勝負はないね。勝ちはいただきだ。


 「ふふふ。これはこう、斜め45度くらいでゆっくりと入れるんだよ」


 仄香に教えるように実際にやってみる。

 商社の余裕と言う奴である。


 しかし、ポイは破れてしまった。

 

 くっ、ゆっくり入れすぎた。


 「流石は巫子ちゃん。笑わせるのが上手だね。ぷぷぷ」


 私の一連の動きを見ていた凪咲が口元を抑えて、からかうように笑ってくる。


 くそぅ。反論したいけど、反論しずらい。


 「そ、そういう凪咲はどうなの!?」


 どうせダメに決まっている。

 これ、思った以上に難しいからね?


 「え?私?はい」


 手に持つ器の中を見せてくる凪咲。

 そこには二匹の金魚の姿が。


 「いつの間に!?」


 「巫子ちゃんが仄香ちゃんに勝ち誇って振りを作ってるときに」


 全く気が付かなかった。

 というか、振りなんて作ってない。

 でも、ツッコミづらい。


 「難しいですの……」


 私と凪咲がわいわいとやり取りをしているとカレンの呟きが聞こえたのでそちらに視線を向けて見ると、カレンの手に持つポイは破けていた。


 やっぱり難しいよね?


 「はい、巫子ちゃん。今度はボケずに真剣にやってね。ぷぷぷ」


 この子は分かって言ってる。

 さっきのももちろん真剣だ。

 

 凪咲から無言でポイを受け取り金魚を観察する。

 絶対にすくって見返してやる。





 な「結果はもちろん0匹だったね」


 み「もちろんって何!?それが当たり前みたいに言わないで!?」


 な「他の皆はあの後すくえてたのにね」


 み「うっ。次こそとるから!」


 な「またフリ?」


 み「ちがーう!」

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