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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
プロローグ
6/79

帰還

 いろいろなことがあったが召喚されてから一年が経った。


 つまり日本に戻る時が来たということだ。



 「ぐすっ…‥バイバイ…‥巫子お姉ちゃん」



 ルシフェルがわざわざ見送りにお城まで来てくれた。


 邪神討伐の一軒以降もちょくちょくルシフェルが会いに来てくれてこの子ともいっぱい遊んだ。


 「うん。バイバイ」


 ルシフェルの頭を撫でて別れを告げる。


 「また…‥遊ぼうね…‥」


 そう言ってくれるが多分もう会うことはないだろう。

 だけど私も「またね」と返す。


 「絶対、に…‥」


 涙を目尻いっぱいにためてすごい嬉しいことをいってくれる。

 その際にルシフェルからお守りのようなものをもらった。


 「ありがとう」


 そんなルシフェルを腕に抱いて頭を撫でながら感謝を言う。


 本当に、本当に楽しかった。


 短い間だったけどこの子と会えて本当によかった。


 溢れ出てくる涙をこぼれないように必死にこらえながらサタンの頭を撫で続ける。


 「お前たちは本当に仲がよくなったな」


 そんな私たちを見ていたメアリーが言う。

 メアリーも見送りに来てくれたみたい。


 「この度は本当に、本当にありがとうございました」


 マーリンが深く頭を下げて感謝の言葉を言う。


 ああ、これでここで出会った人たちともおわかれか。

 地面の魔法陣が光る。

 マーリンを代表に魔術師の人たちが帰還の儀式を始めたようだ。


 どんどんと光が強くなっていく。


 カレンにも別れの挨拶をしたかったんだけどなぜか彼女はここには居ない。

 悲しいが彼女も別れを悲しんであえてここにはこなかったんだろう。


 見送ってくれるみんなに手を振り、やがて魔法陣は召喚された時のように眩しくなっていき目を閉じた。



 その時、こっちに向かってくるカレンの姿を見たきがした。






 目を開けるとそこは教室だった。

 マーリンの話が正しければ召喚されてから時間は経ってしないはず。

 

 周りを見渡すとみんな自分の席に座っている。


 「みんないる?」


 上田先生が教室を見渡しながら全員いるかを確認する。


 「よかった。全員無事に帰ってこれたみたいね」


 みんなが居るのを確認した上田先生が安堵のため息を漏らす。

 そして、


 「それで、椎名さん。なんで王女様がいるのかしら?」


 上田先生が私に訊いてくる。それは私の腕の中に何故かカレンがいるからだろう。

 いやいや、私に訊かれても分かんないよ。

 私も気づいてたけど幻覚か何かだと思ったりもしたけどそんな訳ないよね。


 「カレン。なんでここに居るの?」


 「そ、れは•••••」


 カレンに理由を尋ねると少し言い淀んでから少しして再び口を開いた。


 「巫子が好きだから、ですの」


 カレンが頬を赤く染めながら答える。

 私もカレンのことは好きだけどそれだけで帰れないかもしれない異世界に来る?


 「巫子ちゃん。『友達』としての好きじゃなくて『恋』としての好きだよ」


 「恋?」


 

 どういうこと?

 私たち女の子同士だよ?


 「はい。初めて見た時から、巫子が好きでしたの」


 「やっぱりそうだったんだね。ずっと巫子ちゃんの方を見てるからそうだと思ってたよ」


 えっ?ずっと見られてたの?

 たまに見られてるかなぁとは思ったこともあるけどずっと見られていたのは全然気づいてなかった。


 「というか、カレンちゃんは巫子ちゃんにべったりだったし、みんな知ってたよ」


 みんな知ってた?

 周りを見てみるとみんな「うんうん」と頷いてる。そんなに分かりやすかったの?

 みんなが頷いているなか仄香だけは「そうなの?」という顔で首を傾げていた。この子は気づいてなかったみたい。


 「だからって、もう帰れないかもしれないんだよ」


 「わかっています。でも、どうしても巫子と離れたくなくて•••••」


 「カレンは王女様でしょ!大丈夫なの?」


 「お父様たちには許可をしただきました」


 家族から許可をもらってたのか。

 でもだからって、王女様が本当にいいのかな?私に政治とか分かんないけど色々とあるんじゃ•••••。


「…‥やっぱり…‥迷惑ですよね…‥」


 カレンが俯きながら悲しむような声で言う。


 「別に、迷惑というわkでじゃないけど…‥」


 「本当は、事前に話して、許可をもらってから一緒に来る予定でしたの。でも、拒否されるのが怖くて、こんな形になってしまいました。本当に申し訳ありません」


 話しながらどんどんと顔を暗くしていく。


「大丈夫!ちょっと驚いただけだから!そんなに暗い顔しないで!」


 今にも泣きだしてしまいそうなカレンの頭を撫でながら必死に慰める。

 驚きはしたけど本当に迷惑とかではないのだ。

 私もカレンとはもっと色々と話したいこともあるし、何よりカレンと一緒にいると楽しい。

 だから心配しているるだけで、また一緒にいられるのなら嬉しいとも思っている。


 「取り合えず二人とも、離れたら」


 カレンを慰めていると凪咲が私たちに呆れるような声で言ってきた。

 凪咲の言葉に今更気づいたが私たちはずっと抱き合ったまま話していたようだ。


 「っ!?」


 抱き合っていることに気づいたカレンが顔を赤くして私から離れる。


 ちょっと凪咲!今大事な話してたのにそんなのどうでもいいでしょ!


 そう思いながらも凪咲に少し感謝する。

 意図してかは分からないけどカレンが少し落ち着きを取り戻したみたいだし。…‥今は恥ずかしさであわあわしてるけど…‥。






 「椎名さん、王女様のことは任せるわね」


 カレンが落ち着いてから上田先生を含めて話をした結果、私がカレンの面倒を見ることになった。

 そのことにカレンは申し訳なさそうにしていたけど、その中に嬉しそうな表情も少しあった気がしたので今はこれでいいと思う。


 カレンのことで話し合ってるとき凪咲が「巫子ちゃんがたらしこんだんだし巫子ちゃんが面倒みてあげなよ」と言ってきたが別に私はたらしこんだわkではない。


 「巫子、迷惑だとは思いますが、これからよろしくですの」






 「ここが私の部屋だよ」


 私たちは早退して部屋に帰ってきた。私たちといってもカレンは学校に通っていないから早退したのは私だけなんだけどね。

 カレンはこっちに来て本当に何もない状態だ。

 それこそお金も家もないので面倒を見ることになった私の家に住むことになった。


 「けど、本当にここでいいの?」


 私の部屋で一緒に暮らすのは問題ないのだが、私は一人暮らしでアパートの一室に住んでいる。つまり、二人で住むには狭いと思うのだ。


 「ええ。問題ありません。その…‥巫子と二人暮らしなら…‥少し狭くてもかまいませんの」


 うう、こんなに直球に言われると少し照れる。


 「じゃあ中に入ろうか」


 「はい」


 ここから私たちの二人暮らしが始まるのだ。


 

 なお、この後いろいろと手続きをしカレンも学校に通うことになった。

これでブログは終了です。

次回キャラ紹介を挟んでから本編です。

早く本編に行きたかったのでプロローグの途中の話をちょくちょく飛ばしました。飛ばした話は本編でする予定です。

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