精霊使いの吸血鬼 ハロウィンの花嫁 【異世界編】
とある日。
今、私たちは結婚式場に居た。
異世界に来て知り合った人が今日、結婚式を開くとのことで、私たちも招待されたからだ。
「おめでとう!」
新郎新婦に皆からの歓声がかかる。
私も大声で二人をお祝いする。
そんな時だった。
会場が突如として爆発した。
ものすごい爆発音とともに、爆炎が会場内を包む。
「きゃぁぁぁぁ」
あちこちから悲鳴が上がる。
い、一体なにが!?
そう思ったのは私だけでは何はずだ。
「だ、大丈夫かー!?」
爆炎が収まったころ、そんな誰かの声が処所から聞こえて来る。
かなり大きな爆発だったみたいで、会場はボロボロだ。
「み、皆!?大丈夫!?」
上田先生もすぐに私たちの所に駆けつけてきた。
先生が式に参加していた私たち生徒を一人一人確認していく。
私も周りを見渡してみたけど、かすり傷を負っている子はいたけど大怪我を追っているような子はいなくて一安心だ。
「巫子ちゃん、ありがと。
けど、大丈夫だとは思うけど、大丈夫?」
私の下に居た凪咲から声をかけられる。
私と凪咲が座っていたところにちょど棒状のものが落ちてきたので、とっさに凪咲を庇って覆いかぶさったのだ。
その結果、私はその棒状のものに腹部を貫かれたけど、凪咲に当たることはなかった。
私はその突き刺さったものを抜きながら渚に言葉を返す。
「うん。大丈夫」
「本当にありがとう」
珍しく素直に感謝の気持ちを伝えてくれる凪咲。
「凪咲こそ、ケガとかない?」
「うん。大丈夫だよ」
凪咲の無事も確認して一安心したところで、私たちは安全なところに避難した。
会場にいた人たちが全員避難したところで、現状の確認をしてみる。
大怪我を追っている人もいるけど、治療魔法などで対処可能体で、その人たちにも命に別状はないみたいだ。
死者もいないみたいでひとまず、皆の無事が確認できたと思ったんだけど。
「プリメ!?プリメ、どこだ!?」
焦ったように叫びながら周りを駆け回っている人がいた。
その人物は、今回の主役の一人、新郎のシム。
そして彼が先ほどから叫んでいるのは、新婦の名。
もしかして、見つからないのだろうか?
それはこの場の全員が思ったようで、全員で新婦の名前を何で探す。
「そんな、まさか……」
暫く探して見つからない現状に膝をつくシム。
そして彼は爆発によってがれきの山となった式場に視線を送る。
おそらく全員が同じことを考えただろう。
もしかしたら、あの下にいるのではないかと。
絶望的な空気は流れる中、私が全員に聞こえるように口を開いた。
「私、探してくるよ!」
それだけ言い残してがれきの山に駆けていく。
立ち去る前に凪咲に視線を送ると、私の意図を理解してくれたようなので、この場は彼女に任せることにした。
「皆、こんなものがあったよ!」
がれきの中を散策した結果、一枚のカードが見つかった。
霧化したりして、がれきの下をくまなく探したけど、プリメの姿はどこにもなかった。
少なくともがれきの下敷きになったということではなく一安心だけど。
私は、見つけたカードをシムに渡す。
そのカードには、
『花嫁は貰った。ジャック』
と、カボチャ、というより、ジャック・オー・ランタンのイラスト共に書かれていた。
「まさか!?あのジャック!?」
そのカードを見た多くの人が驚愕に顔を染める。
え、有名人?
というか、ジャック・オー・ランタンって。
名前もジャックだし。
今日はハロウィンじゃないよ!?
この想いは私だけじゃなくてクラスの皆も同じようだった。
このジャックと言うのは神出鬼没の怪盗らしく、ほしいものはすべて手に入れてきた、正体不明の人物らしい。
だけど、それは全て物で今回のように人がさらわれたことは今まで一度もなかったようだ。
「一体どうして……」
絶望に顔を染めるシム。
相手は正体不明の怪盗。
今まで盗まれたものが返ってきたことはない。
だからだろう。
シムの顔は真っ白になっていた。
「巫子ちゃん、何とかならない?」
「私に言われても」
「だって巫子ちゃんは見た目は子供、頭脳は大人でしょ」
「は?」
そんなどこかの小学生みたいな存在じゃないけど。
「見た目は私たちと同じ、けど、本当は何百歳も生きてるんだから、そうじゃない?」
そういわれればそうかもだけど。
「今はふざけてる場合じゃないでしょ!」
確かにハロウィンとか花嫁とか爆発とか、あの小学生を思い出すようなことはあるけど。
「まぁそうなんだけど、巫子ちゃんなら何とか出来ないかなって」
私にあの小学生のような推理力はない。
「いや、精霊とか使ったらどうにかならないかなって」
精霊?
そんなこと出来るかな?
結果、出来ました。
私と契約している邪精霊のメフィストに協力してもらって探知系の精霊術を使った。
この術は術者の霊力や精霊の核によるらしいんだけど、私は問題なく世界全てを探知することが出来た。
そんな詳しいことは置いておいて、その術を使い無事にプリメを見つけることが出来たので私は現在そこに来ていた。
「大丈夫?」
「ッ!?」
鍵のかかった部屋に一人閉じ込められていたので、霧化の能力で中に親友にプリメに声をかける。
突然声をかけられたプリメは驚いて肩を一瞬震わせた。
「ミ、ミコ、ちゃん?」
「そうだよ。助けにきたよ」
私を見て驚きながら私の名前を呼んできたので、助けに来たと返しながら頷く。
すると、プリメは安心したような表情を見せる。
「そう。ありがとう」
彼女も私のことはしっているのできっと、安心できたんだろう。
もう一度彼女の姿を見る。
何処には怪我があるようには見えなくて良かった。
そんな時だった。
私の首にかチャッと音と共に何かがつけられる。
「どうやってここを突き止めたかは分からんが、これで終わりだ」
後ろから声がしたので振り向く。
そこにはローブを被った男性が居た。
もしかして、こいつがジャック?
自分の首元を確認してみると何か首輪のようなものが付けられている。
さっきの音はこれを付けられた音の様だ。
「それは爆弾だ。俺の意思にしたがわなければ爆発させるぞ」
脅すように言いながら口角を上げるジャック。
どうやら勝ち誇ってるらしい。
「そんなことしたら、あなたも危ないんじゃない?」
もちろn私は爆発したところで命の危険案てない。
(痛いけど。多分凄く痛いけど!)
けど、爆発によってプリメがまきこまれたら大変なので確認しておく。
「ふはは!そんなバカなことするはずがないだろ!それはそこまでの威力はない!だが、お前の首を飛ばすには十分だ!」
高笑いすながら説明してくれるジャック。
その答えは予想通り。
そっか、なら何の問題もなし。
さっさとこいつを拘束してプリメを連れて帰ろう。
首元だけ霧化させて首輪型の爆弾を外す。
痛いのは嫌だからね。
「ば、馬鹿な!?」
驚いてるところをお腹を殴って気絶させる。
「やっぱり、ミコちゃんは凄いわね」
ずっと見ていたプリメから称賛の言葉を受けとり、そんなっプリメを連れて皆のもとへ帰った。
ジャックは無事に引き渡し、そして後日、改めて結婚式のやり直しを無事に行うことが出来た。




