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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
50/79

デート・ア・ヴァンパイア  【異世界編】

 邪神……世界を滅ぼすとされる災厄の化身。強大な力を有し、討伐が非常に困難な存在。






 とある日。


 「あれ?」


 ふとした疑問についつい声が漏れ、首を傾げる。


 「どうしたの巫子ちゃん?」


 そんな私の仕草に凪咲も私と同じように首を傾げて訊いてくる。


 「えっと……何か、メフィとのつながりが切れたみたいで……」


 急なことでどうしてか理由は全くもって分からないが、私と契約している邪精霊のメフィストとのつながりが切れたことに気づいた。

 私たちはいつも契約でつながっていて、メフィストの姿が見えなくても、私の中に存在はずっと感じていた。

 だけど、今はそれが感じられないでいる。


(メフィ?)


 心の中でフィストに問いかけるも返事はない。

 いつもなら可愛らしくツンツンしながらも即答してくれるはずだ。


 「巫子ちゃん、捨てられたとか?」


 笑いながら冗談を言ってくる凪咲にツッコミを入れながらも、メフィストのことが心配に思って今日は終わった。






 「ミコ!ミコは居るか!?」


 皆で集まって朝食を食べてる最中、食堂の扉が勢いよく開かれ、私を呼ぶ声と共に魔王メアリーが入室してきた。


 「ど、どうしたの?」


 慌てるようなメアリーに驚きながらも返事をする。

 すると、メアリーは私の姿を確認するが早いか私の前に一瞬で近づいて私の肩を思いっきり掴み、切羽詰まったように口を開く。


 「じゃ、邪神が、復活した!!!」


 …………へ?

 じゃしん?

 じゃしんってあの邪神?


 それはこの間皆で協力して倒したはず。


 メアリーの言葉がはっきりと理解できず、暫く思考停止してしまう。

 それは私だけでなく、他の皆も同様で、部屋の中は暫く静寂に包まれた。


 




 「えっと、どういうこと?」


 あれから暫くして何とかメアリーの発した言葉の意味を理解して、訊き返す。

 それに対しメアリーは一度大きく深呼吸をしてから今度は詳しく説明してくれた。


 「実は昨夜、邪神と戦ったあの地に再び邪神の姿が観測されたと報告があったんだ。

 始めは何かの間違いがと思ってはいたが、面のためにと確認したところ、まぎれもなくあの時戦った邪神の姿をした化け物がそこに居た。

 しかも、それは、周辺を関係なく破壊して暴れている」


 落ち着いたように説明するメアリーの言葉に再び思考が停止しそうになるが、必死で頭を動かして考える。


 もしかして、メフィと繋がらないのに関係があるのかな?


 (メフィ?メフィ!?)


 再びメフィストを呼び掛けてみるが返事がない。


 「ミコ、何か知らないか?」


 その質問に対して現在、メフィストと繋がらないことを説明する。


 「そうか……」


 そうして、色々と考えた結果、とりあえず私たちは邪神の所に向かうことにした。






 かつて邪神との対戦を行った地。

 私たちは再びその地にやって来ていた。


 そこには暴れる邪神の姿が。


 「メフィ!メフィなの!?」


 大声で邪神に向かって話しかける。

 すると、邪神の動きは一度止まり、こちらに視線を向けてくる。


 『だ、れ、だ』


 邪神って話せったっけとかどうでも良い疑問は置いておいて、目の前の邪神と会話を試みてみる。


 「私だよ!巫子だよ!」


 『み、こ……。

 何だ、身体が、熱い……』


 私が名乗りを上げた直後明らかに様子の変わる邪神。


 『何だ、貴様は……』


 「あれって、巫子ちゃんのこと忘れてるけど、心にはしっかりと残ってるパターンじゃない?」


 邪神の反応を見た凪咲が緊張感のない声で呟く。

 

 パターンって。

 この状況で緊張感なさすぎない?

 確かに私もちらっとは思ったけどさ。

 何か、目の前の邪神の反応を見て少しだけど、ほっとした。

 私のことはちゃんと心に残ってくれてるみたいで。


 「よし!巫子ちゃん。私たちの戦争デートを始めよう!」


 「何言ってるの凪咲!今ふざけてる場合!」」


 唐突なあのセリフを言い出した凪咲に全力でツッコんでしまう。


 「だって、精霊と言えばデートでしょ?」


 さも当然のことのように告げるな凪咲。

 まぁ私も確かにそう思うけど。


 「でも、この状況でデートなんて出来ないでしょ」


 「もうキスすればよくない?好感度はすでにマックスだろうし」


 そうかな?

 そんな簡単に終わるかな?

 確かに凪咲の言う通り、好感度がマックスだった場合、キスすれば瀬入れを助けられるかもだけど。

 それって、あの作品の、あの主人公の力だよね?


 「……お前たちはさっきから何を言っているのだ?」


 今まで私と凪咲だけ話していたところに怪訝な顔をしたメアリーが問いかけてくる。


 「えっと。気にしないで。いつものだから」


 「そんなことより早く巫子ちゃん。早くしないとメフィちゃんが暴走したままだよ」


 ま、まぁ、とりあえずやってみよう。

 そんな方法で本当に戻るか分からないけど、今は方法がこれしか思いつかないし、ダメもとでやってみよう。


 と言うわけで、私は邪神の口にキスをした。


 結果。

 あっさりと戻りました。


 「あ、ありがとう、ミコ。感謝する。

 我も何故だか分からないけど、暴走しちゃったみたいで……」


 すっかりもとに戻って顔を真っ赤にしたメフィにお礼を告げられる。

 でも、姿は戻ったけど、しゅんとしてる。

 そんなメフィも可愛いけど、やっぱりいつもの調子にっ戻ってほしい。


 どうしようかと悩んでいると凪咲がメフィストに対し口を開いた。


 「いや~、巫子ちゃんにキスされて戻るなんて、流石巫子ちゃん大好き精霊だね~」


 「!!!!!?????」


 おどけて言う凪咲の言葉に更に顔を赤く染めるメフィスト。

 そして慌てて口を開く。


 「べ、べ別に、我は、ミコのこと、す、好きなんて、思ってないんだから!?」


 それだけ言い残してメフィストは姿を消してしまった。


 良かった。

 凪咲のお陰でいつものメフィに戻ったみたいだ。

 やっぱりメフィはツンデレ可愛いな。

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