ありふれた吸血鬼で世界最強
邪神を討伐してからのとある日。
私たちは今日も、ダンジョンへとやって来ていた。
今日のパーティはいつものメンバーの私と凪咲、双子の仄香、冷香に魔王のメアリーとルシフェルだ。
そして現在大型のモンスターと対峙している最中、
四足歩行の頑丈な見た目のモンスターだ。
「よっ」
モンスターが口から放ってきた光線を余裕をもって回避する。
「はっ!」
その隙に他の皆(魔王たち以外)が攻撃をしていく。
私は今、回避盾を担当している。
ちなみに魔王の二人は観戦だ。
「がんばれー!」
そんな観戦しているルシフェルから応援の声がかけられる。
その声にこたえるべく、ルシフェルの方を向いて手を振ってこたえる。
「ミコ!よそ見をするな!」
後ろを向いて手を振っていた私にメアリーからお叱りの言葉が。
大丈夫だよ。
そんん舐めプをしている私の背中に強い衝撃が加わった。
「いたっ!?」
痛みと共に前方に飛ばされる私。
飛ばされながら振り返り確認してみると、モンスターの前足でけられたみたいだ。
あはは。全然大丈夫じゃなかったよ。
そんなことを考えながら受け身を撮ろうと飛ばされながら体制を整える。
痛みはすでに消えている、
私は不死身の吸血鬼だから、あの程度すぐに治るのだ。
「巫子ちゃん!危ない!」
体制を整えようとしていた私に冷香からの注意を呼び掛ける声が届く。
今私はモンスターの方を向きながら飛ばされているけど、モンスターは私に追撃をかけてくる様子はない。
だから冷香の言葉の意味が分からない。
不思議に思い冷香の方に視線を向けると、目の前に巨大な火球が迫って来ていた。
「へっ?」
驚いて思考が少し止まってしまい、巨大な火球はそのまま私に直撃する。
今度は痛みと同時に全身がやけどするような痛みも伝わってきて飛ばされる私。
「いたた」
思いっきり地面にたたきつけられた私は立ち上がりながら何があったのかを考える。
多分、丁度モンスターに飛ばされた先が冷香の放った魔法のコースだったんだろう。
ついてない。
味方の魔法が誤弾する異世界転移主人公ってどこかで見たなぁ。
あれは、わざとだったっけ?
そんなことを考えていると、私の立っていた地面が急に崩れだした。
「え?」
次々と来る展開に対応できずに、私はそのまま崩れる地面と共に地下へと落ちていくのだった。
これじゃあ、あの人と同じじゃん。
がれきの中から這い出る私。
「ここ、どこだろ?」
結構下まで落とされた気はするけど。
とりあえず、皆の所に戻ろう。
そう思い落ちてきた天井を見上げるが。
「塞がってるし」
なぜかそこに穴はなかった。
がれきはあるのに穴はない。
謎すぎる。
流石は異世界。
「どうしよう?
まってたら誰か迎えに来てくれるかな?」
そんなことを考えていたら急に私の足元に魔法陣が光と共に現れた。
きっと皆が迎えに来てくれたんだと思った私は警戒もせず反応があるのを待つ。
すると、魔法陣の輝きは私を包んでいき、強く光りだす。
あまりの眩しさに目を瞑り、次に目を開けた時には、私は水晶のような透明の何かに閉じ込められていた。
「……」
どんどん進んでいく展開に言葉も出ない。
閉じ込められたと言っても頭から肩くらいまでは外に出ていて顔だけ外に露出した状態だ。
だけど、
「何で裸!?」
閉じ込められて最初のツッコミがこれだ。
だけど仕方ないと思う。
だって、服が消えているんだもの。
私を閉じ込めているものは透明で私の肌色が外から丸見え。
最悪だ。
恥ずかしすぎる。
「まぁ、私の力ならこれくらいい、すぐに出れるけど。
……あれ?」
思いっきり力を入れて水晶を破壊しようとしたんだけどなぜか力が入らない。
このままだと出られない。
どうしよう……。
そうだ!
メフィストに頼もう!
心の中で私と契約している邪精霊のメフィストに話しかける。
『メフィ。ちょっと頼みがあるんだけど、ここからでれないかな?』
『ごめんミコ……。我も力が出ない……』
元気なく答えるメフィスト。
いつものツンツンはどこへやらである。
『気にしないでいいよ』
きっと私が閉じ込められてるせいだ。
だから、メフィストのせいじゃない。
落ち込むメフィストを必死に慰める。
それにしても、私がこうやって閉じ込められるとか。
さっきは味方の魔法で落とされてあの人見たいとか思ったけど、それだったら私が助ける側じゃないの?
確かに閉じ込められてたのは吸血鬼だったけど……。
そんなことを思いながら皆の助けが来るのをメフィストと話をしながら待つのだった。
だけど服くらいは残してほしかった。
絶対凪咲にからかわれる。
「ぷぷぷぷ」
あれから数時間。
私たちの所に皆が助けに来てくれた。。
初めは私の顔を見て慌てて駆け寄ってくれたんだけど、私の姿を見て皆硬直。
その後、凪咲はお腹を抱えて笑い出した。
「巫子ちゃんは吸血鬼だもんねー。あははは」
どうやら凪咲も同じことを思ったらしい。
だけどそんなに笑わなくても。
だんだんと顔が熱くなってくる。
「……」
そんな私より更に顔を赤く染めて顔を逸らすルシフェル。
恥ずかしい!
ルー君にまでこんなところ見られるなんて!
「ご、ごめんね!私のせいで!」
はっ、とした冷香が慌てて謝ってくれる。
だけどあれは冷香のせいじゃない。
私がよそ見していたせいだ。
「そ、それより、早く出して!」
「あぁ、そうだな」
私の訴えに、メアリーが水晶の中から出してくれた。
出た後にすぐに変身能力の応用で服を作る。
「ぷぷ。写真撮っとけばよかったね」
ニマニマとした顔でからかってくる凪咲。
「そんなことされたら私、恥ずか死しちゃうよ!」
流石に凪咲も冗談で言っているのは分かってるけど、いつも通りツッコむ私。
だけど、本当に恥ずか死するぐらい恥ずかしかった。
これを作った人がいるなら一発ぶん殴ろう。
そんなことを考えながら今日は帰った。




