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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
45/79

勇者仄香の魔王退治

 「ふははは!よくぞここまでたどり着いたな勇者!」


 私は三枝仄香。勇者だ。

 そんな私に大声で話かけてきたのは吸血鬼の魔王ミコ。

 彼女は世界を滅ぼさうとする災厄。

 だからここで私が倒さなくてはいけない。

 何故なら、勇者だから。


 「魔王ミコ!お前は私が倒して世界を平和にする!」


 ミコに聖剣を向けて宣言する。

 それを見たミコは鼻で笑ってから言った、


 「お前ごときが我を倒す?我は不死身の吸血鬼だぞ?

 お前が勇者でどんなに強かろうと我を倒すことはできない」


 そしてまた大声で笑うミコ。

 確かに彼女は吸血鬼。

 それもいくつもの能力で多種多様なすべを持つ。

 倒すのは困難だろう。


 だけど、一つ言いたいことがある。

 それは、

 

 見た目がとても弱そうなのだ。


 歳は15、6歳に見えるし、服装も普通の女の子が来ているような服を着ている。

 口調もどこか作って言っているように聞こえる。


 彼女を見ていると、正直普通の少女の演技にしかみえないのだ。


 「なんだ?ずいぶんと余裕そうだな?」


 いけない。

 余計なことを考えてる場合じゃない。

 見かけはあれでも、彼女は災厄。

 油断していたらすぐに殺される。


 気合を入れて聖剣を握りなおす。


 「さあ、どこからでもかかってこい!」


 大きく手を広げて余裕ぶるミコ。

 そんなミコに高速突きを切り出す。


 「これでも、喰らえ!」


 「甘い!


 だけど、私の初激はいとも簡単に躱されてしまった。

 

 「くっ、これなら!」


 今度は剣の振りと同時に多数の魔法を放つ。

 いくつもの衝撃は流石のミコも回避できずにダメージを与えることに成功する。


 「なかなかやるな。だが」


 身体の何か所についていた傷はすぐに治ってしまった。


 やっぱり、回復能力もあるのか。

 しかもあの早さだと一撃で倒さないと。


 「ふははは。お前が何を考えてるのか分かるぞ。

 一撃で倒せば何とかなるとでも思っているのだろう。

 だが、我は不死身。

 決して死なぬ」


 「……」


 確かに彼女の言う通り彼女は不死身かもしれない。

 だけど、私は彼女を倒す方法を知っている。

 さっきまでの攻撃もミコの油断を誘うためのもの。

 もうすぐで私の仕掛けた魔法が発動する。

 それが発動知れば私の勝ちだ。


 「どうした?もう終わりか?」


 「あぁ。終わりにしよう」


 私は最高のタイミングで魔法を発動する。


 「変身!」


 「変身?一体何に変わると言うのだ?

 例え何に変わろうとも我は倒せんぞ」


 ミコは災厄にして最強の吸血鬼。

 不死身で絶対に殺すことは出来ない。

 でも、倒すことは出来る。


 「ミコおねえーちゃん」


 私が変身したのは自分の幼少期。

 大体5、6歳くらいのころ。


 小さくなった私はてとてととミコに近づいていく。


 そんな私を見たミコは固まっている。


 「なッ……」


 「ミコおねーちゃん」


 近くまでいった私はミコに抱き着いた。

 すると強く引きはがされてしりもちをついてしまった。


 「は、はなれろ!」


 「いて」


 しりもちをついた私はうるうるした目でミコを見上げる。

 

 でも本当に痛かった。少しだけど。

 幼少期の私、弱すぎ。


 「ごめん」


 そんな私の目を見たミコは慌てて私を立たせる。

 完全に動揺しているミコ。

 そんなミコに仕掛ける。


 「ミコおねーちゃん。まおー、やめて?」


 あざとく首を傾げながら頼み込む。

 

 「で、でも……」


 「おねがい。ミコおねーちゃん、大好きだから!」


 「!分かった!やめるね!」


 ちょろい。ちょろすぎる。

 この最強の魔王は、所謂ロリコンなのだ。

 幼女に正面から頼まれたら絶対に断れないロリコン。

 

 災厄とは言われているけど、子供にはとことん甘い。

 

 こうして世界は平和になりました。






――――――――――――――――


 み「何で本当に仄香が主人公の話になってるの!?

   それに、何最後のオチ!?」

 

 な「いつも通りの巫子ちゃんだと思うけど?」


 み「全然違うわ!」

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