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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
43/79

桜の木の下

 とある日のこと。

 私は巫子ちゃんに桜の木の下に呼び出されてしまった。


 …‥まさか告白。


 とか一瞬思ってしまったけど、それはないだろう。

 巫子ちゃんはお子様だし(数百歳だけど)、私を呼び出す時の顔がニヤニヤしていた。

 きっと何か企んでいるんだろう。

 どうせ、いつも私がからかってるから、その仕返しに違いない。


 これは返り討ちにしなくちゃだね。


 …‥でも、もし本当に告白だったら。


 そんな思考は頭を振って横に追いやり、巫子ちゃんを返り討ちにする準備をすることにした。







――――――――――


 皆は桜の花がどうしてピンクなのか知っているだろうか。

 その答えは、桜の木の下には死体が埋まっているからである。

 

 まぁ、実際にはそんなことはあり得ないけど、今からそれが現実になるのだ。


 さっき凪咲を桜の木の下に呼び出した。

 そして私が今いるのは、桜の木の下。

 文字通り、木の下の地面の中である。


 私には酸素何て必要ないから生き埋め状態でも全く問題ない。

 更に変身能力を駆使して顔もゾンビっぽくしておいた。


 この状態で凪咲が来たところで、地面から足首を掴んで驚かせてやる計画だ。

 いつも私をからかってくる、仕返しをしてやる。

 流石の凪咲もこれには腰を抜かすだろう、。

 私だったら…‥

 何でもない。

 私なら余裕です。嘘じゃないです。


 そうして暫く地面の中で凪咲が来るのを待っていると、足音が響いてくるのが分かった。

 意外と地面の中は聞こえるんだな。


 そんなどうでも良いことを想っていると足音が私の真上までくる。


 今だ!


 そう思い勢いよく手を地面から出して足首を掴む。

 それは見事に成功し、続けて顔も出していく。


 しかし、私を見下ろす凪咲の顔に一切驚愕の色は見えず、どこか冷めた目をしていた。


 「やっぱり…‥」


 そして、冷たいながらもどこか寂しそうな凪咲の顔。

 ???

 どういうこと?

 やっぱりって言うのは、バレてた?

 けど何で、そんなにも冷たい目をして悲しそうなのか、私には分からなかった。

 

 いつもなら、バレていたなら、お仕置きとか言ってからかってきそうだけど…‥。


 そんなことを思っていると、


 「何してるの!?」


 凪咲の後ろから上田先生の声が。

 まさか凪咲。先生を連れてきたの!?

 どうしよう。怒ってるし。


 このまま地面に逃げようかな?


 しかし、私の手は凪咲に掴まれてしまい、逃げられなくなってしまう。


 「逃がさないよ、巫子ちゃん」


 そう言った凪咲の顔はいつもの私をからかう時の顔だった。

 さっきの表情は気のせいだったのか。


 それよりも凪咲はよく私の手を掴めるね。

 今の私の顔、凄く怖いことになってると思うんだけど。


 「出てきなさい」


 お怒りな先生の声に素直に従い地面から出る。


 「説明してください」


 ごめんなさい。

 ちょっと凪咲をからかおうと思っただけなんです。

 だからそんなに怒らないでください。


 その場に正座させられ説教される私。


 なんで私聖子にこんなに説教されなきゃいけないんだろう。


 暫くして、やっと先生の説教が終わる。

 次からは気を付けて悪戯しよう。

 今回の悪因はどうやら地面を掘ったことに問題があるようだし。


 そんなことを考えながら立ち上がる私に凪咲が声をかけてくる。


 「巫子ちゃん!あれ!」


 凪咲の指さす方を見る。

 私が地面から出てくるときに掘り返された部分だ。

 するとそこにはヒトの手首があった。


 「!!!!!!?????」


 その手首を見た瞬間、私はしばらく固まり、気づけば空中まで避難していた。


 これは決して逃げたわけじゃない。

 ただ唐突に空を飛びたくなっただけだ。


 桜の木の下には、本当に死体が…‥。

 見てない。

 あるはずがない。






――――――――――

 やはり巫子ちゃんに呼び出された要件は告白なんかではなく、悪戯だった。


 そう予想していた私は聖ちゃんも連れて一緒に来たのだ。

 その場に巫子ちゃんは居なく、地面から出てきた手に掴まれたときは巫子ちゃんだと瞬時に察し、少し残念い思ってしまった。

 これではまるで、私が巫子ちゃんに…‥。


 こうなることを予想していた私は先生に事前に話していた甲斐もあり、スムーズに巫子ちゃんは怒られていた。

 そしてその間に最後の仕上げをする。

 

 理科室から持ってきた人体模型の手をこっそりと巫子ちゃんが掘り返した地面に置く。

 それから、説教が終わったタイミングで驚きながら手首の方に促してやる。


 手首を見た瞬間、巫子ちゃんは綺麗な真っ白な顔を青くして固まり、気づけばどこかに消えていた。


 けど、今回に限っては巫子ちゃんが全面的に悪い。

 私と巫子ちゃんは友達。

 それ以下でも、それ以上でもない。


 でも、私は巫子ちゃんを…‥…‥。

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