表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
42/79

サンタクロース

 今は12月24日の夜。

 つまり、クリスマスイヴの夜。

 時刻はもうすぐで日付が変わろうかと言う時間。


 私はそっとすやすやと気持ちよさそうに眠るカレンに音を立てずに近づく。

 今の私の服装は全身真っ赤。真っ白な髭もつけている。

 つまりはサンタクロースのコスプレだ。

 私がサンタに成り代わって、カレンにプレゼントを贈る。


 ふふふ。

 起きた時のカレンの驚く顔が楽しみだ。


 後は、カレンだけじゃなくて他の皆にもプレゼントを配る。

 子供がいる友達からも子供にプレゼントを置いてくれと頼まれているし、私はいつもクリスマスは忙しい。

 これって、本物のサンタさんと言っても過言じゃないよね。


 




 次は凪咲の番。

 霧化の力で窓の隙間からこっそり入る。

 吸血鬼は許可がないと他人の家に入れないって言うけど、私はそうじゃない。

 どこでも、入りたい放題。

 不法侵入だけど、そこは目を瞑ってもらおう。


 「すぅ、すぅ」


 可愛らしく寝息を立てる凪咲に音を立てずに近づく。

 

 ふふ。

 よく眠ってるな。


 枕元にこっそりとプレゼントを置く。

 その時、凪咲に腕を掴まれた。


 まさか、起きてた!?


 「すぅ、すぅ」


 そう思ったけど、違うみたい。

 今も寝息を立てて眠ている。

 腕を掴まれたのはたまたまみたいだ。


 でも、どうしよう。

 このまま払いのけたら起きないかな?

 どうせ、私が置いたってことはバレるだろうけど、それでも今バレるのは恥ずかしいし、気まずい。

 何とか起こさずに立ち去りたいけど。


 「すぅ、すぅ」


 気持ちよさそうに眠る凪咲は何故か腕に力を入れてきた。

 

 「み…‥こ…‥ちゃん…‥」


 そして、寝言で私の名前を口にする。

 その顔はとても幸せそうだ。

 写真に収めておきたくなる。

 

 もしかして、夢の中でも私のことからかってないよね?

 そうだ、この顔写真に撮って明日見せてやろう。

 そうしたら暫く私に逆らえなくなるかも。


 ゆっくりとスマホを取り出し写真を撮る。

 取る時フラッシュをたいてしまったけど、起きることはなかった。


 凪咲の腕からは霧化で脱出。

 明日が楽しみだ。






 「これって巫子が?

 ありがとうございますの」


 何故か驚きもせずに私だと一瞬でバレた。


 「な、何で、分かったの?」


 「?巫子しか居ませんのに、それ以外がありますの?」


 「えっと、サンタさんとか」


 「?誰ですの?」


 可愛く首を傾げるカレン。


 しまった。

 そもそも、クリスマスを知らなかった。

 ちゃんと教えておくんだった。


 この後、クリスマスのことについて教えながら学校に向かった。






 「これみてー!今日起きたら靴下の中に入ってたー!

 今年もサンタが来てくれた―!」


 開口一番、私の置いたプレゼントを見せつけてくる仄香。

 仄香は純粋にサンタが居ると信じていて毎年きちんと枕元に靴下をつるして寝ている。

 そんな仄香を皆で頬前しく見守る。


 「冷香も貰ったんだよね!」


 自分のプレゼントをひとしきり見せつけた後、妹もプレゼントを貰ったことを誇らしげに語る。

 自分の妹がいい子だからだと目で語っている。


 「うん。…‥ありがとう」


 仄香に促されて冷香が自分の貰ったプレゼントを皆に見せる。

 その時。私にだけ聞来れるような小さな声でお礼を言ってくれた。

 姉と違って冷香は私が置いたことに気づいている。

 高校生になったんだから当たり前だ。


 「私も貰ったよ」


 今度は凪咲がプレゼントを見せる。

 それに続いてカレンもプレゼントを見せる。


 皆楽しそうで良かった。

 昨夜頑張ったかいがあったよ。


 ふふふ。それから、楽しみだ。

 今からあの写真を見せてなぎさきをからかってやろう。


 そう思って、スマホを取り出したところで凪咲が口を開く。


 「あれ?巫子ちゃんは?貰ってないの?」


 ニマニマとした顔で訊いてくる凪咲。

 もちろん、分かっていての発言だ。


 それに対して皆は「いつものか」というような表情をする。

 だからいつものようにツッコもうと口を開きかけたところで先に仄香が口を開く。


 「あれ?ホントだ。ミコ貰ってないの?」


 首を傾げながら純粋に訊いてくる仄香。

 

 しまった。

 この子の前だと言えない。

 どうしよう。


 「巫子ちゃんは悪い子なんだね」


 二マニアと言ってくる凪咲。

 くそ。

 笑ってられるのも今のうちだぞ。

 皆の前であの写真を見せてやる!


 「そんなことより、これ、見て!」


 「な…‥!?」


 スヤスヤと気持ちよさそうに眠る自分の写真を見た後顔を真っ赤にする凪咲。

 ふふふ、仕返しだよ。


 「な、何取ってるの!?盗撮だよ!?」


 いつもとは逆で凪咲がツッコんでくる。

 今日は見事に仕返し成功だ。

 私のプレゼントのこともうやむやに出来たし、今回は私の完全勝利かな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ