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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
40/79

肝試し(神社)

 とある日の夜、私たちはとある神社へとやって来ていた。


 ここの神社は最近、学校で噂になっている。

 その噂とは、何でも夜になると幽霊が出るんだとか。


 それで、凪咲の提案で今、その神社に来ているということだ。


 今日のメンバーはいつも通り、私とカレン、凪咲に双子の仄香と冷香の五人だ。

 今日は私は体調が悪かったので行かないと言ったんだけど、凪咲に無理やり連れてこられた。


 決して怖かったから仮病を言ったとかではない。

 本当に体調が優れなかったのだ。

 断じて嘘ではない。


 「はいはい。言い訳は分かったから」


 「言い訳じゃないよ!本当に体調が悪いんだよ!」


 「それって、怖いからじゃないの?」


 そんなことはない!

 

 凪咲は今日ずっとニヤニヤと頬を緩ませている。

 きっと私の怖がるところを見て楽しんでるんだ。

 性格がゆがんでいるように思うよ。

 私は怖がってはないけどね!

 

 「私は、こわい、よ」


 冷香は怖がりながら仄香の腕に抱き着いている。


 「だいじょーぶ!何があってもあたしが守るから!」


 カッコいいことを言う仄香。

 私も守ってもらおうかな?と、ちらっと思ったけど、決してそれは怖いからではない。

 もし危険な目にあったら勇者である仄香に助けを求めるのは自然なことだ。


 私は不死身の吸血鬼だから守ってもらう必要があるのかって?

 そんな声は聞こえません。


 「じゃあ、さっそく行こう!」

 「おー!」


 元気のいい凪咲と仄香が先に進んでいく。

 それに私たちも続いた。

 ちなみにカレンは私の服の袖をちょこんとつまんでいる。

 その仕草が可愛くて恐怖も少し和らいだ気がする。

 

 …‥怖くなんてないけどね!


 




 暗い道を懐中電灯で照らしながらどんどんと進んでいく。

 ここの神社は階段から社までの一本道だ。

 なので最初は一人ずつ行こうとなったんだけど、


 「無理!お姉ちゃんとじゃないといけない!」


 冷香がいつにもなく大きな声でそう言った。

 いつも冷静な冷香が大声を上げるなんて珍しいので少し驚いた。


 「そっかー。じゃあ皆で行こう!」


 私はそう提案したのだが、


 「それなら、仄香ちゃんと冷香ちゃんだけ二人で行けばよくない?」


 私の提案を否定する様にそんなことを言う凪咲。

 きっとこの子は分かって言っている。


 「で、でも、カレンも凪咲も怖いでしょ」


 慌てて、皆で行こうと促すが、


 「それなら私とカレンちゃんで行くよ。巫子ちゃんは怖くないでしょ?」


 とのことで、

 仄香と冷香。

 カレンと凪咲。

 そして私一人の組み合わせで行くことになった。


 階段の前までは皆で行って、そこからは一組で行って、お参りして帰ると言う流れだ。


 そうしてついに、私たちは階段の前までたどりついてしまった。


 「じゃあ、だれから行く?」


 凪咲の問いに仄香が元気よく手を上げる。


 「はいはい!!あたしたちが、先に行く!」

 「えっ、最初!?」


 仄香の提案に戸惑う億冷香。


 「だいじょーぶ!それに最初の方が楽しいよ!」


 「全然、楽しくなんてないけど、分かった。

 どっちにしろ、怖いのは変わりないし、先にすませた方が楽かも」


 そうして、まずは、仄香と冷香の双子ペアから行くことになった。


 




 「何もなかったー」


 暫くして戻ってきた仄香がそう口にする。


 ふぅ。

 よかった。


 「巫子ちゃん。どうしたの?そんな安心した顔して?

 もしかして、幽霊が居なくてよかったとか思てない?」


 「ち、違うよ!二人が無事で良かったとおもってただけだし!

 幽霊何ていないよ!」


 だから早く行ってと、次を促す。

 

 そして、ニヤニヤした顔の凪咲と、その凪咲の服の袖を掴むカレンが階段を上っていった。






 暫くして二人が戻ってくる。


 「残念ながら何もいなかったよ」


 何もいないならよかったじゃん。

 何が残念なの?


 「じゃあ次は、巫子ちゃんだね」


 ついに私の番が来てしまった。


 「でも、もう遅いし、早く帰らないと危ないよ?」


 「大丈夫大丈夫。ここには勇者な仄香ちゃんもいるし」


 そう言いながら階段の方に私の背を押す凪咲。

 

 「でも、暗いし」


 私の手には何もない。

 つまり明かりが何もないのだ。


 「巫子ちゃんは暗くても見えるでしょ」


 それはそうだけど。

 

 「ほらほら」


 「分かったよ!行けばいいんでしょ!


 「ちゃんと証拠の写真も撮ってきてね」


 そうして私は階段を登った。






 階段を登り終えた奥には社が見える。


 あれか。

 さっさとお参りして、写真撮って帰ろう。


 周囲をキョロキョロしながら進んでいく。

 これは決して怖がっているからではない。

 これは…‥そう、警戒しているのだ。

 夜は危険がいっぱいだから、警戒大事!


 賽銭箱に小銭を入れてお参りする。


 (何も出ませんように)


 そうお願いをしたときだった。


 「よんだ?」


 枯れたような声で、そんな声が聞こえて来る。


 気のせいだ。

 気のせいに決まっている。


 恐る恐る(怖がってないけどね!)目を開けてみると、


 「!!!!!!!!!!」


 目の前に少女の姿があった。

 その少女は、透けていて半透明で、とても人間には見えない。


 声にならない叫びをあげ、皆のもとに飛んで逃げる。

 文字通りに。


 「で、でたー!!!!!!???????」


 皆の顔を見た瞬間、私は助けを求めるように叫んでいた。


 「出たって、幽霊!?」


 仄香は楽しそうにする。


 「…‥…‥」


 冷香とカレンは顔を青くする。

 そして凪咲は、


 「どうしたの巫子ちゃん?怖いの?」


 ニタニタと私をからかうように、頬を緩めるのだった。


 「いいから、早く帰ろう!」


 そして、そんな凪咲の表情も気にすることは出来ず、四人を抱えて私の家まで飛んで帰った。


 幽霊何ていない。

 あれは気のせい。

 見間違えだ。

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