ヴィジュアルヴァンパイア
とある日の夜。
今日は参加自由のコンサートが開かれる、
その名も「赤い月コンサート」。
今日は月が赤く見えると言う日向めこの名前が付けられた。
そしてそのコンサートに私たちも出ることになった。
提案者はいつものごとく仄香。
「楽しそう」ということでの参加だ。
「赤い月の雫はあたしたちのものだー!」
赤い月の雫とはコンサートで最も会場を盛り上げたものに送られる品のこと。
集めたからと言って何でも願いがかなえられるとか、そういうものでは決してない。
「その雫を集めて巫子ちゃんの吸血を禁止にしよう」
だからこんな凪咲の発言も意味がない。
しかし、いつも通りツッコむ私。
「何で私だけなの!?そこは吸血鬼とか全体にしてよ!?
そもそも、そんなこと出来ないし!」
いつも通りのやり取りだ。
他の皆もそれは分かっているらしく、私たちの会話を聞いているだけ。
しかし、何故かカレンの様子が少しおかしい気がした。
「どうかした?カレン」
「い、いえ、その、巫子が吸血できなくなるのは、嫌、ですの」
頬を赤らめてそんなことを言うカレン。
これは、私に血を吸ってほしいと受け取っていいのかな?
そんな可愛いことを言われると吸血衝動が湧いてくるんだけど。
そんなことを考えていると前に吸ったカレンの血の味を思い出してますます吸血衝動が湧いてくる。
「…‥巫ちゃん、カレンちゃんの首元じっと見てるけど、もしかして欲情した?」
「!?し、してない!?してないから!?」
凪咲にバレてしまいとっさにごまかすも失敗。
これだと「してた」と言っているようなものである。
「…‥」
そんあ私の反応を見てもじもじしだすカレン。
だからやめて。
コンサートが終わった。
そして、私たちは赤い月の雫を手に入れることが出来た。
仄香のアクロバティックなパフォーマンスに会場は大盛り上がりだった。
「あたしを世界で一番の勇者にして!」
赤い月の雫を天に掲げながら叫ぶ仄香。
どうやらさっきの凪咲との会話を聞いていたための発言だあろう。
「お姉ちゃん、集めないと意味ないよ」
こちらもいつも通りのやり取り。
だけど、ツッコミ間違ってない?
集めても意味ないよ?
冷香がボケるとは珍しいな。
「あの、巫子…‥どうぞ、ですの」
何故かカレンが服を少しはだけさせ首元を見えるようにして近づいてくる。
さっき会場で頑張っていたためか少し汗ばんでいて、それがまた吸血衝動を駆り立てる。
「…‥」
もう、いいよね。
カレンの首元に噛みつく。
口内がカレンの甘い血で満たされる。
美味しい。
「巫子ちゃん。人間の血を吸うと死んじゃうよ」
「まだ願ってないでしょ!」
カレンの血の余韻に浸ることもできずに凪咲がボケてきたのでつい、ツッコんでしまった。
もうちょっと、味わいたかったな。




