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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
36/79

見える吸血鬼ちゃん

 『…‥…‥る…‥』


 「ん?誰か、何か言った?」


 かすかに声が聞こえたかと思って皆に確認をとってみたけど誰も何も言ってないみたい。

 聞き間違えか、もしくは何かの音かな?

 けど、何か言葉を言っていたように聞こえたけど、やっぱり気のせいだろうか?


 『…‥え、…‥る…‥』


 やっぱり聞こえる。

 声は小さいけど、誰かが何かを言っているように聞こえる。

 遠くの方で誰かが何か言っているのが聞こえているという感じではない。

 なんというか、近くで話しかけられているのに、聞こえづらい。

 電波の悪い電話を聞いているような感じ。


 「巫子ちゃん、どうしたの?何も聞こえないけど」


 私が聞こえづらい言葉を聞き分けようと周囲に耳を澄ませていると凪咲が話かけてくる。

 凪咲の言葉に他の皆も頷いているので、やっぱり私しか聞こえていない見たい。

 まぁ、私は普通の人よりもずっと耳がいいから私しか聞こえていないと言うのにも納得がいく。


 「もしかして、幽霊とかだったり」


 ニマニマとした顔で言ってくる凪咲。

 この顔はいつも私をからかう時に見せる顔だ。

 幽霊とか言って私を怖がらせて楽しむ気満々だ。

 その魂胆が見え見えだよ。


 それに、幽霊何ているわけないし、私はまっっったく怖くないっていつも言ってるのに、凪咲はいつも怖がらせようとしてくる。


 「そ、そんなわけ、な、ないでしょ!?」


 「巫子ちゃん、どうしたの?震えてるけど、もしかして幽霊、怖い?」


 「そ、そんなわけないでしょ!?全然、これっぱちも怖くないし」


 全く、怖くない。

 嘘じゃない。本当に怖くない。

 そもそも幽霊何て地球に存在しないし、怖がるわけがない。


 「あはは。怖いなら怖いって言えばいいのにー」


 楽しそうな仄香。

 

 「「…‥」」


 目を逸らす冷香とカレン。

 

 何さ皆して!

 絶対私が怖がってると思ってるでしょ!?

 否定してるのに!


 「…‥…‥る…‥」


 あーーーー。きこえないーーーー。

 幽霊何ていないんだから聞こえないーーーーーーーー。






 『見えてる?』


 放課後、トイレの鏡を見た私は、人と目が合った。

 だが、その人物は、人には見えない。

 肌は黒ずんでいて、眼球がなく、どこか黒いオーラを的ッている。

 それはまるで、幽霊のようなみため。

 先ほどからかすかに聞こえていた声も、目が合った瞬間からはっきりと聞こえるようになった。


 「!!!!!!!!!!!!!」


 目が合ったものが幽霊だと認識した瞬間、私は走り出していた。


 「?どうかしましたの?」


 トイレを出たところでカレンに会う。

 そしてとっさにその背中に身を隠した。


 「で、でた…‥」


 震える声でカレンに伝える。

 だけどこれだけでは理解してくれなかったみたいだ。


 「でた?何がですの?」


 首を傾げるカレン。

 説明したいけど、なかなか声が出てこない。


 「どうしたのー?」


 「巫子ちゃん大丈夫?」


 震える私を見た双子の仄香と冷香が話しかけてきたので何とか説明しようと頑張る。


 「でた…‥」


 カレンの目の前、幽霊の方を指さす。

 幽霊がいると言いたかったが、言葉が出てこなかった。


 「?トイレがどうかしましの?」


 三人共首を傾げている。

 仄仮がトイレの中を確認しに行くが、もう中には居ない。

 外に出てきて私の方をずっと見てる。


 三人には見えていないみたい。

 

 心の底で思っていた、というか、祈っていたコスプレスした人な落ちはなかったみたいだ。

 と言うことは、完全に幽霊で間違いないと思う。


 「どうしたの巫子ちゃん?」


 今度は凪咲がやってきた。

 三人同様、彼女にも幽霊の姿は見えていないようだ。


 『見えてる?』


 さっきからずっと話しかけてくる幽霊。

 何で私だけ見えるの?

 

 「…‥もしかして、本当に居るの、幽霊?」


 私の反応を見て首を傾げていた凪咲が正解を出す。

 その言葉に対し、私は全力で首を縦に振った。


 「えっ!?本物!?どこ!?」


 テンションを上げる仄香。

 なんでこの子はこんなにも嬉しそうなのか、全く理解できない。


 「…‥」


 そんな姉に近寄って無言になる妹の冷香。

 幽霊が居ると聞いて、この子も怖がっている様子。

 双子なのに反応が真逆だ。


 「何で巫子だけにみえるんですの?」


 疑問を口にしながら首を傾げるカレン。

 この子は冷静だな。

 やっぱり王女様は肝が据わっている。


 「みこ《・・》ちゃんだからじゃない?」


 そんなカレンの疑問の言葉に答えたのは凪咲。

 その答えには皆が首を傾げていたけど、多分私は凪咲の言いたいことが分かったと思う。


 「吸血鬼、だからですの?」


 「そうじゃなくて、名前がみこ《・・》だからかなって」


 うん。

 やっぱりそういうことどろう。


 再びのカレンの質問に補足して説明した凪咲だけど、皆に分かった様子はない。

 まあ、あの作品を見てないと分からないよね。

 凪咲が言いたいのはつまり、あの作品の子と名前が一緒だからと言いたいのだろう。

 そんな理由で見えるようになっても困る。


 「まあ冗談は置いておいて、どうするの?

 巫子ちゃんさっきから顔色悪くしてるだけで何もしゃべれてないけど」

 

 だって、目の前の幽霊が怖くて動けなくて。

 

 「神社でお祓いしてもらう?」


 「上田先生に頼むのは?」


 皆が色々と意見を出してくれてるけど、何でもいいから早く何とかしてほしい。

 

 『ねぇ、見えてるよね…‥』


 私にずっと話しかけてくる幽霊。

 

 やめて。やめて。もう、やめて! 

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