トロピカル〜ジュ!ヴァンパイア 【異世界編】
とある日。今日もダンジョン攻略に来ていた。
メンバーはいつもの私、凪咲、仄香、冷香、ルシフェルにメアリー。
「じゃ、開けるよー!」
いつも通り仄香が10階の扉を開ける。
仄香を先頭にみんなが入り、ここのボス、ミノタウロスとの戦闘準備をする。
「暗いね」
「うん。このパターンは、」
普通ならミノタウロスが現れるはずだが現れない。
このパターンは何回か出くわしたことがある。
特殊モンスターがポップするパターンだ。
「今回はなんだろうね。私も戦える相手だったらいいな」
以前に魔法使いの冷香ととても相性の悪いモンスターが出てきたことがあった。
その時は冷香が確約する場面が少なかった。
今回はどんなモンスターだろう。特モンスターは変わった力を持っているのが多いから相手によってはすごくやりづらくなる。
といっても、ここは10階層なので強くてもレベルは20くらいだろう。
「出てきた!」
明かりがつき仄香の指差す方を見る。
「なにあれ?モンスター?」
ポップしたモンスターを見て全員で首を傾げる。
一対の目玉と一対の腕、三本の足のやうな根が生えた全長三メートルぐらいの見た目が木のモンスターだ。
「なんか、面白い」
仄香の言葉にみんなが頷く。
「だが気をつけろ。見たことのないモンスターだ」
メアリーの言葉に警戒心を高める。
メアリーは結構博識のほうなので、そのメアリーが知らないとなると相当に珍しいモンスターのやうだ。
「凪咲、鑑定お願い」
まずどんな能力を知るため凪咲に鑑定を頼む。
だが、凪咲から返事は返ってこない。
不思議に思い凪咲の方を見ると、凪咲が仄香と冷香と一緒に倒れていた。
「どうしたの!」
慌てて三人に駆け寄る。
そして三人から返ってきた言葉は、
「何にもやる気がない」
力なく告げる三人。
なんかどっかで見たことある光景だと思ったら、日朝魔法少女アニメで見た光景だった。
あの変な木のモンスターもそのアニメの敵モンスターに出てきたのにどこか似ている気がする。
「精神攻撃だ!巫子は大丈夫なのか!?」
メアリーが三人かこんな状態になってる理由を教えてくれる。
私には何もない。うまくレジストできたみたいだ。
「さすが巫子お姉ちゃん」
ルシフェルがキラキラとした目で褒めてくれるので「ありがとう」と頭を撫でる。
「これって、あのモンスターを倒したら治るの?」
あのアニメだとやる気のパワーをカムバックしないといけなかったからメアリーに訊いてみる。
「恐らく戻るだろう」
少し曖昧な感じだがメアリーを信じよう。
「じゃあ、早速倒そう」
木のモンスターに向き直る。
「ヴァンパイアチェンジ!」
天に拳を突き上げポーズを決めて叫ぶ。
どうせ倒すならあのアニメ風にしようと思ったためだ。
吸血鬼の変身の能力を駆使して体を発光させる。
今来ている服も変身能力で変化させ巫女服風の魔法少女っぽい服にし背中からコウモリのような羽をだした。
「巫子お姉ちゃん!カッコいい!」
ルシフェルが目をキラキラさせながら言ってくれるが、そこは可愛いって言ってほしかった。
「きらめく!やえば!キュアヴァンパイア!」
両手を上にあげて吸血鬼のチャームポイントの鬼歯をちらっと見せてポーズを決める。
「•••••なにを、やっている?」
そんな私にジト目を向けるメアリー。
「わー!」
メアリーと違ってルシフェルは先ほどよりも更に目をキラキラと輝かせてくれた。
どうやらメアリーにはこの魅力がわからないらしい。
「うわっ!危なっ!」
モンスターがお約束を守ってくれるはずもなく決めポーズの余韻に浸っていた私に突進してくる木。
「りゃー!」
木の攻撃を躱した私は掛け声と共に木を殴る。
おもっきり殴ったおかげて木は地面に倒れた。
「いまだ!おいで、ヴァンパイアハンマー!」
もちろん呼んでも来るはずがないので置いていた自分の身長ほどあるハンマーを手に取る。
「ヴァンパイアハンマァァインパクトォォォ!!!」
必殺名を叫びながらハンマーをおもいっきり振り上げて木を叩きつける。
「ビクトリー!」
塵となって消えていく木に背を向けて勝利の決めポーズを取った。
「••••••••••」
メアリーはジト目。
「カッコいいー!!!」
ルシフェルは更に目を輝かせて割れんばかりの拍手をくれた。
「んん。あれっ?あたしなんで倒れてたんだっけ?」
仄香たちも無事に元に戻ったみたいでお約束の台詞を言いながら立ち上がる。
「巫子ちゃん何その格好?」
質問に答えるためもう一度自己紹介する。
「きらめく!やえば!キュアヴァンパイア!」




