暗号
「何これ?」
朝学校に来て靴箱を開けると何か紙が入っていた。
「なになに~?ラブレタ~?」
ニマニマとした顔で煽るように言ってくる凪咲。
「ラ、ラブレター…‥」
カレンが小さな声でぽつりとつぶやくのが聞こえた。
「違うと思うよ。ほら、」
靴箱に入っていた紙を二人に見せる。
この紙に書かれているのは大量の数字だけでラブレターになんて全然見えない。
「それでそれでー何て書いてあったのー?」
教室に来た私たちはさっきの私の靴箱に入ってあった謎の手紙について仄香と冷香にも話した。
興味を持って訊いてくる仄香に謎の手紙を見せてあげる。
その手紙にはこのように書かれていた。
「1456 126 512345 1456 2346 25 16 5246 246 25 4156 14 15 123
126 12345 146 5135 156 12」
「何これー?」
「悪戯とか?」
仄香が手紙を見るなり首を傾げ冷香は少し考えぽつりと呟いた。
「確かに…‥悪戯かもしれませんの」
カレンも冷香と同じ予想のようだ。
そう考えると私も悪戯なんじゃないかと思えてきた。そもそも手紙なのかも分からないし。
いたずら…‥。
あっ、もしかして…‥
「何その目?私は何もしてないよ?」
悪戯と言えば凪咲なので疑いの目を凪咲に向けるとすぐに否定された。
「でもいつも私をからかってくるし、今回も凪咲の仕業なんじゃ」
怪しいので追及する。
「こんな意味の分からない暗号でからかったりしないよ。
そもそも私たちは一緒に学校に来てるんだし入れれないでしょ」
確かにいつも一緒に来てるけど、私たちの部屋に迎えに来る前に学校に来て入れるとかできる。
「そんな面倒なことしないって。
私ならもっと直接的に巫子ちゃんで遊ぶから」
それもそうか…‥
って、私fで遊ぶな!
私は凪咲のおもちゃじゃない!
「これ1から6までしかないけどカンケーあるのかなー?」
私と凪咲が軽い言いあいをしているとマイペースに仄香が話しかけてくる。
「本当だ。お姉ちゃんの言う通り6までしかない」
冷香が姉の言葉の角煮をとる。
私も手紙に視線を移し確かめてみると仄香の言うとおり1から6までの数字しかなかった。
「一つ一つの数字は数の小さい順に並んでいるのかとも思いましてがそういう訳ではありませんし…‥」
「そういえばカレンは読めないの?」
カレンは異世界からきてまだ日本語を完璧にマスターしていない。なので右手の人差し指に翻訳の指輪というファンタジーなアイテムをいつもつけているのでどんな言葉でも理解できる。
だからこの暗号も分かるんじゃないかと思って訊いてみたんだけど無理らしい。
どうしてかはかっきり分からないけど多分手紙に書かれているのが言葉じゃなくて暗号だからじゃないかな。
「6…‥6…‥」
仄香の言った通り6に何かあるかもしれないのでそれについてみんなで考える。
「6…‥なんか最近どっかで見たような…‥」
仄香がうなる様に考えている。
「あっ!おもいだした!」
「何!お姉ちゃん?」
みんなの視線が仄香に注目すr。
「この前の私の小テストの点数だ!」
「「「…‥…‥」」」
思い出せて嬉しいのかドヤ顔の仄香だけど小テスト6点って…‥
「分かった!」
あまりの嬉しさに授業中に叫んでしまう私。
あれから暫く考えていたんだけど全然分からずチャイムがなってしまい担任の上田先生が来たのでいったんみんな自分の席にもどった。
一時間目が始まっても手紙のことが気になっていた私は授業そっちのけでずっと考えていたのだがようやく分かった。
「どうした」
「何でもないです」
先生に叱られてしまったけど暗号の解き方が分かったので気にしない。
暗号は点字だったのだ。
数字のことを色々と考えているとふとエレベーターの階のボタンが出てきて、そういえばボタンには大体点がついてるなーとかを考えたら気づいた。
点字は六点で構成されている。
組み合わせによって文字が読めるはずなのでそれで解けるはず。
点字の組み合わせは覚えてないけどスマホで調べたら出てくると思うので次の休憩時間にみんなに解き方を伝えて試してみよう。
「これってホントに点字なの?」
点字のことを伝えたけどみんなピントきていないみたい。
点字の点一個一個に番号があるのも知らなかったみたいなので無理もないかもしれない。
「ほらこれ見て」
スマホで調べた点字の番号をみんなにみせる。
「ホントだ。
えっとじゃあ最初の『1456』は『す』だね」
数字を点字の番号に当てはめていくとこうなった。
「すきです ほうかご こうしゃうらに きてください」
「やっぱりラブレターだったね」
凪咲がニマニマした顔になて私を煽ってくる
本当にラブレターだったとは…‥気づけてよかった。
放課後校舎裏に私は一人(みんな隠れてついてきているけど)来ていた。
そこに一人の女の子がいた。
「君?これをくれたの?」
「は、はい!」
手紙をくれた彼女は少し緊張しているのか声が少し上がっている。
「その、この前、助けてくれた時に一目ぼれしてしまって」
助けた?
確かにどこかで見たことあるような…‥
あっ、公園でいかにもな不良に絡まれてか子だ。
「でもよくわかったね。あの時は制服でもなかったし、名前も言わなかったよね」
「椎名先輩は有名だから…‥美人だし」
最後は普通の人には聞こえないぐらいの小さな声だった。
正面から美人とか言われると流石に照れくさいけどやっぱり嬉しい。
「えっと‥‥君は?」
名前を呼ぼうとしたんだけど知らなかったので訊いてみる。
「心です」
「心ごめんね。気持ちは嬉しいけど、心の気持ちには答えて上げられない」
誰かに好かれるのは本当に嬉しい。
でも私は人を好きになることができない(性的に)ので断る。
軽い気持ちで付き合っても相手に失礼だと思うからね。
「知ってます。だけどこうしてここに来てくれたので伝えたくて」
そういえばどうしてあんな回りくどいことをしたんだろう。
「…‥伝えるか迷ったからです。迷惑かもしれないと。だから気づいてくれてここに来てくれて本当に嬉しかったんです!」
とっても素直でかわいい子だ。
この子なら私なんかよりももっとふさわしい人が見つかるよ。
「もし心がいいなら友達にならない?」
「いいんですか?」
「心がいいなら私はいいよ。私は心と友達になりたいから。
それと私のことは巫子でいいよ」
「はい!巫子先輩!」
こうして私は新しい友達を得た。
この後凪咲に女たらしだとからかわれたけど、それらについては省略する。




