お化け屋敷
とある日、私たちはお化け屋敷にやってきた。
「ここのお化け屋敷、このあたりだと一番怖いんだって!」
行こうと言い出したのはいつもの通り仄香、ではなく今回は凪咲だ。
多分だけど私を怖がらせえるつもりだろう。
「私、外で待ってるね」
そう言ったのは私ではなく冷香。
冷香も怖いのはダメみたいだ。
私は大丈夫なので中に入る。
「冷香も行くよー!」
怖がる冷香を強引に手を引いて連れていく仄香。
しかたないなぁと思いながらみんなで中に入った。
「あれ?巫子ちゃん大丈夫なの?」
私の方を向いて驚く凪咲。
なんども言ってると思うけど私はお化けとか全然、これっぽちも、全くもて怖くない。
本当に全然強がりとかではなく。
「なーんだ」
私が怖がってないのを見てつまらなそうにする凪咲。
私はお化けとか大丈夫だからね。
それにここは作りものだし、私は暗い所でも普通に見えるので、ただ人が脅かしてくところを歩くだけのことだ。
「カレンは大丈夫?」
カレンの方を見てみたが彼女も全然怖がっているようには見えない。
私のイメージするお姫様だと「キャー!こわーい」とか言って王子様の腕に抱きついてるんだけどカレンはそうではないらしい。
現実のお姫様は想像よりもずっと肝がすわっているようだ。
そうじゃなかったら知らない異世界にこようとは思わないか。
「きゃっ」
お化け役の人が暗闇から急に出てきて小さい悲鳴を上げる冷香。
冷香はずっと仄香の腕に抱きついている状態で抱き着かれてる仄香はどこか嬉しそうだ。
多分いつも頼ってばかりの妹に頼られて嬉しいんだと思う。
「思ったより怖いね」
そう言う凪咲だがそうは全然見えない。
「そ、そうですわね」
さっきまで全然大丈夫そうに見えていたカレンだがお化け役の人が次々と現れて少しビクッととしている。私の服の袖をちょこっと指でつまんで持っているのが可愛い。
パリーン!!!
出口を目指して順調に進んでいた途中、ガラスが割れるような大きな音がした。
その音にそれぞれが驚きを見せる。
今の演出すごかったな。
すごく大きな音だったし何を割ったんだろ?
「あれ!」
仄香の指さす方を見ると出口の明かりが見えた。
「ゴール!」
テンション高く拳を天に上げる仄香。
冷香はため息をついてようやく出られたという表情だ。
「楽しかったねー」
やっぱり凪咲は怖がっていなかったようだ。
「…‥…‥」
カレンは少し頬を赤くして俯いていた。
怖がってたのを見られて恥ずかしかったのかな?
「おい、まただってよ」
「あの謎の音か?」
「ったく、誰があんな音鳴らしてるんだ」
「本当に不思議だよな。どこにも割れたガラスもないし」
帰る途中、職員たちの話す声が聞こえた。
謎の音ってもしかしてあれかな?
職員たちも知らないってことは…‥
いやいや、お化けなんて存在しないんだし、きっと風邪か何かだよね!
お化けなんて居ないんだから!
「巫子ちゃん知ってる?お化け屋敷には本物のお化けが住み着くんだって」
だからお化けなんて居ないってば!




