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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
26/79

魔王ルシフェル【異世界編】

 邪神討伐から数日後お城にいる私たちに訪問者が現れた。

 やってきたのは魔王ルシフェルだった。


 「巫子お姉ちゃん•••••会いに•••••きだよ」


 「久しぶりだな、巫子」


 あと魔王メアリーも一緒だった。


 「久しぶりー。ルー君!」


 ルシフェルに抱きついて頭を撫でる。

 ルシフェルの頭を撫でている時凪咲が私の方をジト目で見ていたが特に気にしない。「ショタコン」と言う声も聞こえた気がしたがそれもスルーする。


 「おい、私を無視するな!」


 別に無視していたわけではない後回しにしただけだ。






 再会を喜ぶ挨拶をした後私たちはお茶を飲みながらルシフェルの話をすることになった。


 「へー。じゃあメアリーがルー君を見つけたんだ」


 ダンジョン(私たちが入っていたダンジョン) に潜ってたメアリーはそこでルシフェルあったらしい。



 ―――――回想―――――


 とあるダンジョンを魔王メアリーが進んでいた。

 階層は70階を超えた位のところだろう。

 その時魔王メアリーは暴れる少年と出会った。


 「なんだお前。その傷はどうした」


 魔王メアリーが暴れる少年に声をかけるも帰ってくるのは言葉ではなく威嚇するようなうなり声だけだった。


 「落ち着け!私の前の席では無い」


 暴れる少年をなだ宥めるように声をかける魔王メアリーだったが彼女の言葉は少年には届かず少年は魔王メアリーにすごい速さでおそいかかってきた。


 「なっ!」


 あまりの早さに驚き横に飛びのいた避ける魔王メアリー。


 「•••••驚いた。今の動きベル80は超えているだろう」


 少年の動きを見た魔王メアリーは推測でレベルを出す。


 「だが、私は魔王。そう簡単にやれると思うよ」


 そしてしばらくの間ダンジョン内では激しい振動が続いた。


 ―――――回想終了―――――


 「へー、二人ってそんな出会いだったんだ」


 メアリーから聞いた話に色々と興味がある。


 「で、なんでルー君は暴れてたの?」


 一番気になることを訊く。


 「それはだな−−–−」


 メアリーの話を聞いて少し悲しくなる。

 ルシフェルは物心ついた頃からずっとダンジョンで一人だったらしい。

 それもダンジョンの下層の方で出会うのも凶悪なモンスターばかり。生きていくためにそれらのモンスターを必死に倒していたらしい。

 そうして気づいた時には魔王になっていた。

 メアリーがルシフェルを保護して調べたところ判明したらしい。

 

 「獣人で魔王に至るのは本当に珍しい」


 メアリーがそんな事を言う。

 

 「獣人?」


 メアリーの言葉に疑問が浮かぶ。

 獣人は異世界ものでも定番の種族だけどルシフェルはそうは見えない。獣人といえばケモノミミとか。


 •••••めちゃくちゃ可愛いかも。

 ケモノミミのルシフェルを想像するとすごく萌える。


 「あぁ、魔王に至るのはたいていが魔族かそれに連なる種族だからな」


 私が引っかかったのはルシフェルが獣人という部分になんだけど、獣人で魔王になるのが珍しいという部分に引っかかったと勘違いしたメアリーが説明してくれる。

 ちなみにメアリーと魔王ギルも魔族らしい。


 「吸血鬼も魔族の一種だから巫子もいずれはなれるかもな」


 そうだと面白そうだけど、私の成長速度から何十年も掛かる気がするので無理そうだ。


 「それはそうと、ルー君は獣人なの?」


 魔族のことは置いといてルシフェルについて質問する。


 「あぁ、そこか。ルシフェル、此奴らにもあれを見せてやったらどうだ」


 「で、でも•••••」


 あれってのは何か分からないけど躊躇うルシフェル。


 「あれって何?」


 訊いてもいいことか少し迷ったが、気になるので訊いてみることにする。


 「こやつらがあやつらみたいに愚かなことをすると思うか?」


 「…‥絶対に…‥しないと…‥思う」


 メアリーが子供を諭すようにルシフェルを説得するとしぶしぶといった様子だがルシフェルが首を縦に振った。


 そしてルシフェルの頭からはイヌのようなミミがお尻からはシッポが出てきた。


 何これ!?

 さっき想像したよりも遥かに可愛いんだけど!?


 あまりの可愛さに私は言葉を失ってしまった。

 それをルシフェルは悪いように捉えてしまったのか俯いてしまう。


 「おー!獣人らしいミミとシッポ!」


 テンション高く驚く凪咲。

 そして更に言葉を続ける。


 「ルシフェル君、そんな落ち込むことはないよ。

 何でミミとシッポを隠していたかは分かんないけど多分巫子ちゃんがこんな顔してるのはただの変態ショタコンなだけだから気にすることないと思うよ」


 だから私は変態ショタコンではない。

 誤解を解こうとしてくれるのは嬉しいけどその言い方だと他の誤解を生んでしまう。


 「ショタコン?」


 メアリーが私の方をみて首を傾げる。

 意味は分かっていないようだしこのまま気づかないことにしてスルーしておく。


 「ごめんね、ルー君。凪咲の言った通り嫌なことは別に思ってないよ。

 ただルー君が可愛かったからちょっと言葉を失っちゃっただけだから顔を上げて」


 何で落ち込んでいるかは分からないけど私の行動で落ち込ませてしまったことに変わりはないので謝る。


 「…‥本当?」


 顔を上げたルシフェルが少し涙目になりながら上目遣いで訊いてくる。

 その可愛さにまた言葉を失いかけたが、ここで何も言わなかったらさっきよりも悪い誤解を受けてしまうので「うん」と頷く。


 無事に誤解を解くことが出来てんぜこんなにも落ち込んでいたのかの理由を訊いた。


 「それは私がルシフェルを保護したすぐ後のことになるんだが----」


 メアリーの話によると大昔獣人族と人族は種族間で争っていた。

 今となっては種族間に溝もなく殆どの者に差別などの意識はないのだが、ほんのわずかな一部の人族が獣人差別をしているらしい。

 メアリーがルシフェルを保護してすぐ運悪くその差別意識を持ったものに在ってしまい虐げられた。

 それがトラウマになって人間不信になってしまったらしいのだ。

 ちなみにルシフェルを虐げた奴はメアリーがぼこぼこにしたらしい。


 「そっか、そんなことがあったんだね。

 ごめんね、さっきは嫌な想いさせちゃって」


 話を聞いた後もう一度謝る。


 「うんうん…‥大丈夫」


 首を横に振ってくれるルシフェル。


 「私はそのミミもシッポも凄く可愛いと思うよ」


 さっきの失敗を取り返すため素直な気持ちを述べてルシフェルを褒める。


 「本当…‥?」


 そして私の言葉に可愛らしく首を傾げるルシフェル。


 「本当だよ。抱き枕にして一緒に寝たいぐらいかわいいよ」


 「あり…‥がとう」


 少し頬を赤く染めてお礼を言ってくるルシフェル。

 そんなルシフェルも凄く可愛い。

 凪咲が私の方をジト目で見ていたけどどうせショタコンだとか思っているだけだろうから気にしないでおく。



 それからルシフェルはミミとシッポを出しているようになった。


 

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