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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
21/79

死神お嬢様と吸血鬼 【異世界編】

 邪神討伐後のとある日、私は今、夜の散歩をしている。

 散歩と言っても歩いているのではなく、背中からコウモリの様な羽を出し、一人で封中の散歩だ。


 「月が綺麗だな」


 別に誰かに告白しているわけではなく、言葉通りのいみで、目に映る満月が綺麗なのだ。

 この満月を見るためこうして空中散歩をしているわけだ。


 「あれ?」


 満月を見ながらゆったりと飛んでいると、丘の上の豪華なお屋敷の屋根の上に何かの影が見えた。


 「人、かな?流石見遠すぎて見えないな」


 し越し気になったので近づいて確認してみることにする。


 少し近づくと影の正体が分かった。

 予想通り人の影だったようだ。

 白いドレスに綺麗な金髪。

 後ろ姿なので顔は見えないが、可愛いであろう雰囲気がする。


 「あの子も月を見ているのかな?」


 満月の方を見上げるような体制なので恐らくそうだろう。


 暫くしてその子が動きだした。

 屋根の上から落ちないか心配しながら見守る。

 梯子を下り窓に足をかける。


 「良かった。落ちなくて」


 安どのため息を吐いた直後、窓に駆けていた彼女の足がすべった。


 「危ないっ!」


 私は叫びながら全速力で彼女の元まで飛んでいく。


 間に合え!


 必死に伸ばした私の腕は彼女の手をつかみ…‥滑った。

 彼女は手袋をしていたため、滑ってしまい、私の手の中には手袋だけが残される。


 「まだ!」


 まだ諦めない。

 彼女が入ろうとしていたのは三回で、こんな高さから落ちれば死なないにしても大怪我を追ってしまう。

 私は自分の身体を変身能力で金属に変え、その重量を生かし彼女よりも先に地面に降りる、と言うか落ちる。

 こんな時凪咲が居たら「巫子ちゃん体重重たい」とか失礼なことを言ってきそうだ。


 地面に落ちた私は更に変身能力を使い身体を水風船のような性質にする。

 このまま金属の状態だとじめにょりも固くなってしまうからだ。

 モヨの状態に戻って受け止めることも考えたけど念のため更に衝撃を殺せる状態にする。


 私が落ちた時の大きな音とは違いぽわんと私の身体んオ上に落ちる少女。

 よかった。

 ケガとかはなさそうだ。


 「え?」


 ぎゅっと閉じていた目を開け、目を白黒させる。


 「大丈夫?」


 大丈夫だろけど一応訊いてみる。


 「「お嬢様!」」


 そんな時二人の人物が駆けつけてきた。






 「ありがとうございます!」


 深々と頭を下げてくる少女—ーーアンナ。

 それに続いて駆けつけてきた二人ーーー使用人も頭を下げる。


 「いいよ、気にしなくて」


 ふとアンナの手に目をやると片方だけ手袋をはめていないのに気付く。

 そうだった。手袋私が持ってるんだった。


 そう思い手袋をしていない方の手を取り手袋をはめて上げる。


 「触らないで!」

 

 すると手を思いきり振りほどかれてしまった。

 

 「ごめんね。触られるの嫌だった!?」


 こんなに強く拒絶されてしまうと少しショックだが深いに思わ得てしまったのなら仕方ない。


 「あ、そうではなくて…‥」


 俯いてしまうアンナ。

 気を遣わせたかな?


 「それより!大丈夫ですか!?」


 子をはっと上げたアンナは突然私の身を案じてくる。


 「なにが?別に大丈夫だけど」


 「本当ですか!?気分とか悪くなったりしてませんか!?」


 これは一体どういうことだろう。

 明らかに反応がおかしい。






 暫くして落ち着かせたアンナから話を聞いたところ、彼女は呪われているらしいのだ。

 なんでも触れた相手の命を奪う呪いだとか。

 どこかの坊ちゃんが思い浮かぶよ。


 「それなら何も心配はいらないよ」


 心配顔の三人に私が不死身であることを説明する。


 「アンデッドなのですか?」


 否定しづらい質問をされてしまう。

 吸血鬼は物語にもよるけどアンデッドだし、私も聖属性系のものは弱点なので間違いではないだろう。

 けど、アンデッド。つまり死体。

 あまり肯定したくない。


 それにしても呪いか。

 もしかしたら上田先生なら解けるかな?


 「もしかしたらだけど…‥」


 先生のことを離してみる。

 確証は持てないけど聖女である彼女になら解呪できるかもいれない。


 「お願いします!」


 確証が持てなくても試せるなら試してほしいということなので先生の許可がもらえたら明日連れてくることを約束した。


 「お休み。また明日ね」


 三人に手を振ってお城に帰る。


 さっそく先生に話したところ試してみると言ってくれたので明日先生を連れて行くことになった。






 「お待ちしていました」


 次の日。私は先生を抱えてアンナたちのお屋敷にやってきた。


 「出来るかどうかは分からないけど試させてもらいます」


 「お願いします」


 先生が両手を組み祈るような姿勢を取る。

 すると先生の周りから光が溢れてくる。


 「すごい…‥なんて神々しい…‥」


 あまりの美しさにアンナがぽつりと呟く。


 …‥確かに見た目は凄く綺麗で神々しいのだけど、近くにいるとなんだか肌がピリピリする気がする。


 「ディスペル」


 戦線が解呪の言葉を唱えると彼女の周りに出ていた光がアンナの方へと行き、体に入っていった。


 「成功したの?」


 先生に問いかける。


 「したと思うけど、どうですか?」


 みんな揃ってアンナの方に視線を向けるが彼女自身んも分からないみたいだ。


 「少し試してみます」


 そう言って庭に咲いていた花を取る。

 取られた花には何も起きない。

 これは成功したのかな?


 「枯れ…‥ない…‥」


 そう呟いてから涙を流すアンナ。

 よかった。

 無事に成功したみたいだ。


 その後何度も頭を下げてくる三人に見送られながら私たちはお城に帰った。


 「流石聖女様」


 「からかわないで」


 そう言いながらも先生の顔は可愛らしく楽しそうに笑っていた。

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