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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
15/79

イジメ

 とある日の放課後、廊下を歩いていると空き教室のほうからこえが聞こえてきた。


 「あんた、生意気なのよ!」


 その声は不穏なものだった。


 もしかして、イジメ?

 そう思い教室を除く。本当にイジメだったらとめないといけない。


 教室をのぞいて見えたのは、地面に這いつくばる生徒とその子を囲む網に立っている二人の生徒。

 立っている子たちには見覚えはないが這いつくばっている子には見覚えがある。一年の心だ。


 知り合いなら猶更放っておけない!

 そう思い教室にドアを思いっきり開け教室に飛びいるように入る。


 「なにしてるの!」


 心とイジメている二人の間に入り二人を追及する。


 「えっ…‥!?巫子、先輩…‥!?」


 心が驚いたように私の名前を呼ぶ。


 「もう大丈夫だから」


 安心させるように言う。


 「イジメは私が止めてあげる」


 中学や高校には何回も通ったことがあるのでイジメに遭遇したのも一度や二度ではない。

 なので止める方法も何となくだが分かる。

 たいていイジメをする子は他人を下に見ることで優越感に浸ったり、自分を上だと思わせ安心することが多い。だからそれをどうにかすればいいんだけど、どうしてもうまくいかないときは、少し脅して怖がらせらり、私にイジメの対象を向けたりすればいい。

 自己犠牲はあまり好きじゃないけど自分よりほかの人が傷つく方が嫌だ。

 悪人とかなら流石に庇ったりはしないけど。


 「巫子先輩、これはとイジメかじゃなくて…‥」


 「大丈夫。何も言わなくていいよ」


 イジメを否定しようとする心だが頭に手を置きそれを制する。

 そういう時イジメだと素直に言わないからイジメる側は余計に調子に乗る。だから誰かに助けをもとめるのがいいんだけど、それはなかなか難しいらしい。

 他の人に迷惑をかけたくないとか、イジメられてるのが恥ずかしいとか色々あるみたい。

 勇気を出して誰かに助けを求めても誰にも見てもらえず見て見ぬふりということもあるみたいだから、話のが怖いという子もいる。


 イジメられているのを知っているのに何もしないで見て見ぬふりというのが一番たちが悪いと思う。

 確かにイジメている子が一番悪いんだろうけど、自分は関係ありません。というのが私は気に入らない。

 イジメの対象が自分になるのが怖いのならイジメっ子に気づかれないように何かすればいい。先生や親に相談するとか、教育委員会に報告するとか色々出来ることはあると思う。


 「イジメ?何言ってるんすか。別に私たちはこの子をイジメてるわけじゃないっすよ」


 どこか馬鹿にしたような言い方でイジメ否定するイジメっ子。この子たちはイジメを自覚していないタイプか、もしくは自覚はしているけどとぼけているだけだろう。


 「これがイジメじゃないって言うの?」


 心の制服は少し汚れているし誰が見てもイジメにしか見えない。


 「つーか誰なんすか?先輩だからって偉そうに説教しないでくれます?正義のヒーローきどりですか?」


 「ちょっと、先輩なんだし失礼だよ」


 イジメっ子の一人が挑発したような態度をとってくるがもう一人の子がそれを窘める。

 

 というか名にこの言い方。

 正義のヒーローきどりって、そもそも私は女だからヒロインだし、きどってるつもりもない。

 

 「私は巫子。言っておくけどあなたたちよりはずっと年上だから挑発しても乗らないし脅しても全然怖くないからね」


 「「「ずっと?」」」


 脅しは無駄だというためそう言ったんだけど「ずっと」の部分に食いつかれてしまった。


 「ぶっ、ずっとって何すか?一つか二つ上なだけっすよね?」


 またまた馬鹿にしたように言ってくるイジメっ子に「吸血鬼だからね」と補足しておく。


 「吸血鬼…‥。ぶっはははは。先輩、高校生になって中二病ですか?」


 「ちょっと、笑ったら失礼だよ。…‥っクス」


 さっきから失礼な子が大笑いし、それを宥めようとしている子もクスクスと笑いをから得る世にしているが笑っている。心はぱかんとした顔で私の方を見ていた。


 ちょっと!私は中二病じゃないから!


 まあいきなり自分が吸血鬼だとか言い出したら中二病だと思ってもしかたない。

 …‥私もそう思うし…‥。


 「私のことはどうでもいいから、とにかくイジメなんて止めなさい!」


 話を変えるためイジメを辞めるように言う。

 実際私のことなんかより今は心のことの方が大事だ。


 「だーかーらー。イジメなんてしてないって言ってるじゃないですか」


 尚もイジメを認めないイジメっ子を更に叱ろうと思ってが心が私を止めた。


 「巫子先輩!本当にイジメとかじゃないですから」 


 この後のことを恐れてか尚も否定する心。

 さらに私をさっきから古馬かにしてきていない子が心の言葉につけたす。


 「先輩。本当にイジメとかじゃないんですよ。ただの練習です」


 「練習?」


 「はい。演劇の練習です」


 そんなの信じられるわけがない。

 そんな私の考えを感じ取ったのか一冊の冊子と手渡してくれる。


 「これは?」


 「台本です」


 中を見てみると確かに演劇の台本だった。

 さっき私が聞いたセリフもちゃんと載っている。


 「あははー。演劇かー」


 恥ずかしさをごまかすように笑う。


 「ていうか、じゃあなんでこの子はあんな言い方なの!」


 失礼なことを言ってきた子を指さして疑義紋を投げる。


 「それは、すみません。単位この子が失礼なだけだす」


 「はー?失礼ってどこが?ちゃんと敬語も使ってたでしょ」


 謝ってきた子に失礼な子が文句を言う。

 あれ、敬語だったのか…‥。


 演劇は今度心の弟のいる小学校でするためのものらしい。

 なんでもこの失礼な子--加奈が小学生には人気なんだとか。

 失礼な物言いなのになにか納得いかない。


 「ところで先輩、吸血鬼ってなんですか?」


 またも煽るように訊いてくる加奈だが、これは別に煽っているわけではないらしい。

 そうなんだと分かれば特に気になる事でもないけど、こんなんで本当に子ども受けがいいのか気になる。


 そんなわけで彼女たちと少し話した後、あまり練習の邪魔をしてもいけないので「練習頑張って」と手を振りながら教室から出た。

 

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