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精霊使いの吸血鬼  作者: ののん
本編
12/79

吸血鬼、派遣します。

 とある日の休日、私はアルバイトに来ていた。


 「巫子さん、ありがとうございます」


 男性の店長が軽く頭を下げる。

 この人は昔の知り合いで、彼が大学生だったころの後輩になる。


 今日は彼、木崎君のお店が人手不足ということで手伝ってほしいと言われたのでアルバイトをすることになった。

 このお店はお菓子屋さんで小さい子供に人気があると聞いたことがある。

 人が少ないなら結構大変かも知れない。


 「巫子さん、これを腕につけてください」


 木崎君が電子時計のよものを手渡してきたので受け取って言われた通り腕につける。


 「これは?」


 「これはポイントカウンターです。

 このカウンターは店に設置されているカメラと連動していて、何かいいことをするとポイントがたまる様になっています」


 いいこととは擬態的に綺麗に商品を自主的に陳列するなどで店員のやる気を上げるためのシステムらしい。

 溜まったポイントはお菓子なんかと交換できるらしい。


 …‥いいことでポイントが溜まるんだ。まあ、悪いことでポイントが溜まるシステムだとお店が大変なことになるからね。


 




 「いらっしゃいませ」


 営業時間が始まるとお客さんが早速入ってきた、

 

「お姉ちゃん!いつものください!」


 入ってきたお客さんは親子で私を見るなり声をかけてきた。


 いつもの?

 私は今日が初めてだから君のいつものは、分からないんだけど。


 「すみません。あちらのケーキをいただけますか?」


 困っていた私を見て母親の人が助け舟を出してくれる。

 その母親に感謝の言葉を言ってからケーキを待ってくる。

 ケーキはショートケーキで上に何かの可愛いイラストが描いてある。


 「はい。どうぞ」


 少ししゃがんで相手と同じ目線になって優しくケーキを手渡す。

 そうすると「ありがとう」と満面の笑みでお礼を言ってくれる。

 やっぱり子供は可愛いな。


 母親からお金をいただき店の前まで親子を見送る。

 

 「手には何もないよね」


 子供を少し喜ばせようと両手を開いて見せる。


 「手を握って、魔法をかけると…‥」


 「えい」と声をかけてから手を開く。

 すると私の手の中には飴玉が入っていた。


 「すごーい!」


 狙い通りテンションを上げてくれるロリっ子。

 よかった。マジックで喜んでくれて。


 「あげるね」


 手に出した飴玉を上げると「ありがとう」と喜んでくれて、母親にお礼を言われ二人は手をつないで帰っていった。


 『ポイントが加算されます』


 どこかの戦闘員がつけているものから聞こえてきそうな音にカウンター見る。カウンターには数字が表示されていた。


 こんな感じなんだ。

 完全にあの悪の会社のシステムと一緒だ。

 こっちは善行ポイントだけど。






 「いらっしゃいませ」


 店の扉が開く音が聞こえたので挨拶をしながら扉の方を見ると入ってきたのは凪咲だった。


 「あれ?巫子ちゃん、ここで何してるの?」


 凪咲の疑問に素直にバイトをしていると伝えると彼女はニヤリと口角を少し上げた。

 この顔は何か私をからかおうとしているときの顔だ。


 「そっかー。じゃあこのお菓子に巫子ちゃんの愛を入れてちょうだい」


 「ここはメイド喫茶とかじゃ全然ないから!」


 いつも通りコントをする私たち。


 凪咲ときゃっきゃと少しはしゃぎながら話していると他のお客さんが来たのでそっちを対応する。

 その時お客さんが落としたハンカチを拾って上げ、ポイントが加算した。


 「何それ?」


 それを見た凪咲がカウンターに興味を待ったので説明する。


 「へー。面白いねそれ。

 悪行じゃなくて善行で溜まるんだ」


 私と同じ感想を言う凪咲。

 こういう時は本当に気が合う。


 「いいことかー。

 じゃあ私も巫子ちゃんにいいこと(・・・・)してもらおっかなー」」


 「何その言い方!」


 どこかニュアンスの違う凪咲にツッコむ。

 

 「ほら。もう帰って!」


 「私お客さんなのに、扱い酷くない」

 

 文句を言う凪咲の背中を押して帰らせた。

 なんだかんだ凪咲と居るのは楽しいけど、今は仕事中なので帰ってもらう。



 それからもこつこつとポイントを溜めて帰るときカレンのお見上げにお菓子と交換した。

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