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公爵様はただのもらい事故  作者: 楢崎とまと
1/3

衝動的に書きました…(笑)


さくっと軽く楽しんでいただけたら嬉しいです

いつか王子様が来てくれる。そんな馬鹿げたことを幼い頃から夢見ていた。


 小さな頃、私は物語の意味もわかってはいなかったが、続・あしながおじさんが好きだった。なぜ続きの方からなのかはわからないが、とにかく、あの小説が好きだった。


 私にもいつか、素敵な人がやってきて、好きになってくれる。無邪気にそう信じていた。



  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「エミリー、別れよう」


そう切り出されたのは唐突だった。


「どうして…?他に好きな人が?」


「いや、違うんだよ。なんかさ、エミリーって時々怖い。どこかに消えてしまいそうな、かといって事情に踏み込ませない一線がある。一年間、それを越えられると思ってきたけど、無理みたいだから。…俺も辛くなってしまって」


私は反論できなかった。確かに、踏み込まれたくない一線はある。それで彼を傷つけてしまっていたのも事実なのだろう。だとしたら、私が彼にできる一つのことは決まっている。


「…わかった。別れよう?」


すると彼は乾いた笑い声を上げ、声を湿らせた。


「…引き留めてはくれないんだね。今までありがとう、愛しいエミリー」


目に涙をいっぱいに貯めて、彼はでていった。





がらん、とした部屋を見つめてようやく気づく。


「あの立場は普通、女の子の役ではないかな…?」


私は少し笑った。よく、『君らはよくわかんないカップルだねぇ』と先輩に言われたが、確かにそうだ。なんだか、倒錯している。


「ふふっ」


変なの。

沈んだ気持ちが少し浮上する。

「お腹すいたな」

私は町のカフェに行くことにした。


 失恋したら甘いもの。

決まり文句みたいな使い古しのフレーズだけど、本当に甘いものがほしくなる。今からいこうとしているところは、チーズケーキの美味しいお店で…って。微妙に甘すぎないケーキをチョイスする辺りが、普通の女の子じゃないとこなのかもな、なんて考えた。でも、本当に美味しいのだ。そこのチーズケーキは。濃厚な口のなかに絡み付くクリーミーさと、それでもしつこくはなく、すぐに口から消えて、仄かに残る柑橘の香り。想像するだけで本当においしい。にまにましていると、背後から馬の嘶きがきこえた。


「え?」


振り向けば、目の前には馬車がこちらへ横転してきたところでー。

私は意識を失った。



読んでくださってありがとうございます!

続きも読んでいただけたら嬉しいです!

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