王様キレイ。
皇帝陛下
皇帝陛下が目の前の豪華な椅子に座ると勇者と四人以外はその場で皆同じ格好で王様に敬礼をしました。
その格好が左手を胸に、右手を後ろに回し、背筋を伸ばして腰を曲げる格好でした。そして敬意現す言葉は【皇帝陛下に光りあれ】皆口々に言いました。
厳かな空気の中、ポツンと取り残された勇者と四人は何が起きたのか判らない感じで皇帝陛下を見つめていました。
再び静かになった王の間威厳と殺気を交えながら口を開きました。
皇帝【よく来た召喚されし勇者殿】
皇帝陛下が一言
皇帝【この国には救済が必要なのだ】
皇帝陛下が二言
皇帝【勇者殿達には期待している】
威厳ある声で皇帝陛下が言いました。
門【では勇者殿達にはこちらでお願いします】
家臣の一人がいそいそと出てきて退室をするように指示してきました。
門【勇者退室】
大きな声で門番の人が声をあげると重いを立てて門が開きました。勇者達は門番の人に【お早くお願いします。】と言われ王の間から退室しました。
皇帝【あの者達が勇者で間違いないのだな?】
皇帝陛下が近くにいた親衛隊隊長に聞きました。
隊長【はい、そのとうりでございます皇帝陛下】
皇帝【そうか・・・しかしあれが勇者となるとちと問題があるな・・・】
兵【陛下問題・・・とは?】
皇帝【仮にも勇者なのだから魔物との闘える身体と魔法が備わっていなければならんが、備わっているように見えん、騎士団長貴様はどう見る?】
すっと横から流れるように出てきた美しく気高い女騎士が礼を取りながら。
騎士【発言をお許しください皇帝陛下様】
王【うむ、許す】
騎【ありがとうございます、今まで召喚された御方は皆努力家?だと聞いております、これからではないでしょうか?】
王【そうか・・・騎士団長はそう見えるか・・・】
騎【はい・・・】
王【なら騎士団と親衛隊の中から教育係りを出し勇者を鍛えろ、魔物との戦いに耐えられる位には強き者に育てろ。】
騎【皇帝陛下の意のままに】
兵【御意】
王【うむ・・・期待しているぞ!】
皇帝陛下かが退室すると騎士団長と親衛隊隊長が集まり今後の事について話しをしていると、胸に勲章をいっぱいつけて小肥りの男が何が楽しいのかニヤニヤしながら近付いてきました。
軍【これはこれは、騎士様いつもながら麗しいですね、今夜食事でも如何かな?】
騎【いつもお誘いありがとうございます、軍司令官殿しかし今夜はまだ仕事が終わらないので、またの機会にお願いします。】
淡々と返事を返す女騎士に軍司令官は少し顔をしかめ、しかしすぐにいつものニヤニヤ顔に戻ると、くるりと向きを変えて捨て台詞の様なことを言いながら部屋から出ていきました。
軍【流石ですね、騎士様は、では仕事の邪魔にならないうちに行くとしましょう、また誘いますね騎士様。】
お腹のお肉を揺らしながら歩く姿は本当に胸いっぱいの勲章を授かった者なのか?
疑うほど揺らしながら部屋から出ていきました。
兵【ここでは詳しい話しが出来ん、女騎士鍛練場で会いましょう。】
騎【分かりました、後で鍛練場で会いましょう。】
そうして二人も部屋から出ていきました。
二人が王の間から居なくなると、柱の影からにゅるっとフードを深く被った男が出てきて、一度王の座を見るとニヤリと笑い、そして柱の影に溶け込むように居なくなりました。
鍛練場で会いましょう!