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幸せな1日

私がエリザとして目を覚ましたのは彼女が2歳と10ヶ月の時。ゲームで見ていて思ってたけど、エリザってめちゃくちゃ可愛い…。母譲りのサラサラの銀髪に父譲りのペリドットの瞳…。一言で表すとお人形さん。可愛いなぁ。。。

ここで少しエリザ(私)の父と母そして、兄について軽く説明をすると、父 アイザック・マートンは王様の護衛騎士でその腕を買われて子爵の地位を1代で築いたすごい人で、その奥さんである母 アリア・マートンは自分でブランドを立ち上げ、庶民だけでなく貴族の方々から一目置かれる存在。王妃様とすごく仲が良い。兄 シュナイダー・マートンはエリザと10歳年の離れたツンデレタイプの男の子。王様から、直々に学会のメンバーとして様々な話し合いに参加する権利を頂けるほどのとても優秀な頭脳を持った天才少年。

乙女ゲームの主人公である私だけど、今はまだ特別な力は持っていない。ハッキリ言って欲しくない!平凡な人生を静かに過ごしたいのが私の願いのひとつでもあるから…。

ーコンコン

「はぁい!」

「お嬢様、マリーです。」

「!!待って、今開ける!!」

ーガチャ

「開けるって言ったのにぃ。。。」

「ふふふ。病み上がりのお嬢様にそんなことさせる訳にはいきませんから。」

彼女はマリー。お母さまと同じくらいの年のメイドさんで、私の大好きな話し相手。

「お嬢様、今日はこの御本を読みますね。」

「あっ!『トムじいさん』だぁ!!」

『トムじいさん』とは、日本でいうところの『花咲かじいさん』で、子供に人気の絵本。日本で17歳まで生きていた私にとっては少し読んでもらっていて恥ずかしい気もするけど、最近またハマり始めてしまった(笑)

「めでたしめでたし〜。」

「お花を見たら、皆笑ってたね!」

「えぇ。そうですね。」

「ねぇマリー。」

「はい、なんでしょうお嬢様?」

「みんなでお花を見に行きたい…。」

(みんなには沢山心配かけたし、元気に遊んでいる姿を見せたいなぁ。)

「まぁ!それは素晴らしい案ですね!!」

「お父さまも来れるかな…?」

「…どうでしょうか。最近また忙しくされていますし…。」

「そうだよね…。今日のお夕飯の時に誘ってみる!」

「はい!頑張ってくださいね!!」

ー夕食ー

(よし!頑張って言おう!)

「あ、あの!お母さま!!」

「なぁに?エリザちゃん」

「みんなでお花を見に行きませんか?」

「まぁ!お外にお花を見に行くの?」

「はい。」

「とても素敵だわぁ!行きましょ!!」

「花なんてどこで見ても同じじゃないですか…。」

(ツンデレのシュナにぃらしいなぁ(笑))

「あら、シュナイダー。そんなことないわよ!」

「そうですよ!そんなこと言うなら、シュナにぃは来なくてもいいですよ!!」

(さぁ、どうだ??)

「…。」

「シュナにぃなんて?」

「行かないなんて言ってないだろ…。」

(デレたァ♡カワイイッッ)

「はい!一緒に行きましょう!!」

「エリザ、それは父様も行っていいのかな?」

「えっ、お父さまも来るんですか?」

「えっ、ダメなのかい…?」

「あ、あの、そうじゃなくて…」

「エリザちゃん、ハッキリ言ってあげて?お父様死にそうな顔よ?(笑)」

(ふぇ?ほんとだ…。お父さまの顔死にかけてる…。来れるってことかな?)

「…。お父さまも一緒に行ける…んです…か…?」

「あぁ!大丈夫だとも!!」

「やったぁ!!みんなでお出かけできるんですね!」

(まさかお父さまも来れると思ってなかったから、嬉しいなぁ。)

「よし!じゃあ早速みんなで計画を立てようか!」

「「「はい!!」」」

(お父さますっごく楽しそう!誘えて良かったぁ!!)

ー数日後ー

私たちは王都から少し離れた小高い丘の上にあるお花畑に来た。

「お父さま、お母さま!とってもキレイですよ!」

「エリザ、走っては危ないよ!」

「フフっ。すっかり元気になって。本当に良かった。」

「ああ、そうだな。」

「母様、エリザはずっと元気でしたよ?」

「2週間ほど前からあの子は少しずつ変わっているわよ?そんな事にもお兄ちゃんは気づけないのね?フフフ」

「なっ!母様俺はもう子どもじゃないんですから頭を撫でないでください!!」

「おや?なら、アリア僕の頭を撫でてくれるかい?」

「まぁまぁ」

遠目でも分かるほどあの二人イチャついてるな…。まぁ、夫婦仲がいいのは嬉しいけど、人前でするのは恥ずかしいなぁ…。

「エリザ!あんまり遠くまで行ってはダメだよ!!」

「はぁい!!」

と、言いつつもあんまりお父さま達から見えないところで作らないと…。ここら辺でいいかな?

実はこの丘、お父さまがお母さまにプロポーズした場所(マリー情報)らしいのです!なら、私からも2人に贈り物をするべきでしょ!?ということで『花かんむり』を作ろうと思います!

前世では作っていたからきっと分かるはず…。

「ふふん〜♪」

「…。」

「ふふふ〜ん♪」

「なぁ…」

「きゃぁぁぁ!!」

「うわっ!」

「あっ、なんだシュナにいかぁ…。驚かせないで下さいよ!!」

「悪い…驚かせるつもりはなくてだな…何作ってるんだ?」

「これですか?『花かんむり』です。」

「『花かんむり』?なんでだ?」

「ここはお父さまがお母さまにプロポーズをした場所なんですよ!」

「そうなのか…。どうりで2人がいつも以上にその…」

「イチャイチャ?」

「あぁ。してるなと思った。」

「仲良しさんは素敵ですよ。」

「まぁな。ここ、こうじゃないか?」

「あ、ありがとうございます!!」

(何?今の、めちゃくちゃスマートじゃん…。なんでシュナイダーは攻略対象じゃないんだろ?普通にモテそうなのに…。)

「できたぁ!」

「フッ。良かったな。」

「えへへっ。シュナにぃが手伝ってくれたから早くできたね!一緒に渡しに行こ!!」

「…えっ」

「はいっ。これお母さま用ね!あっちまで競走だよ!よーい…」

「あ、ま、待て!」

「ドン!!!!!」

(わぁぁぁ!走るの楽しい!!あっ、お母さま達見えた!)

「エリザ、待てって!おま、走るの、速い…。」

「シュナにぃ速い!負けない!!」

「おや?僕達の可愛い天使達が走ってきてるよ?」

「あら、ほんとね。エリザちゃん、シュナイダー頑張ってぇ!」

(よし!)

「「ゴール!!!」」

「同時だぁ…。悔しい!」

「エリザ、走るの速い…。疲れた…。」

「2人して走ってどうしたんだい?」

「「!!!!!」」

「あのね、マリーからこの丘でお父さま達が結婚の約束をしたって聞いて…。ありがとうの気持ちを込めて2人で『花かんむり』作ったの!」

「まぁ!ありがとう!!」

「簡単だったし、、、いつものお礼にしてはしょぼいかもだけど…。」

「そんなことないわよ。私たちはその気持ちが嬉しいの。」

「そっか…。」

(シュナにぃ照れてる…(* ´ ˘ ` *))

「お父さまには、私から!」

「ありがとう。嬉しいよ!」

(やったね!シュナにぃ!!)

その日私とシュナにぃは帰りの馬車の中、手を繋いで仲良く疲れた体を眠りで癒した。

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