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見殺しクラス  作者: フィル
3/5

03・表と裏

薮井浩介 不安症な主人公 

神谷樹  初めて話しかけてくれた明るい子


せわしなく進む授業を終え、初めての昼休みを迎えた。

そのころには自分の周りには人だかりができていた。

ある秘密がバレていたためだ。

それは、中学三年生の夏にさかのぼる。



ちょうど部活の最後の大会が終わり、

受験勉強をしていた。

この日も市内にある図書館に向かっていた。

暑すぎて、早歩きで向かっていたところに、

声をかけられた。


「君、ちょっといいかな?」


声をかけてきた人は、

自分と同じぐらいの伸長をした成人男性だった。

不審者ではないと思った。


「何ですか?」

「君かっこいいよね、身長も高くて、

 顔もいいし、ルックスも完璧。高校生かな?」

「中三です」

「そっかー、大人っぽいね。

 少しだけお話しさせてもいいかな?」


これはもしかして、スカウトか何かなのか。

特に急ぎの用事もなかったので、

ハイと返事をした。


「あのさ、私こういう者なんですけど」


渡されたのは、芸能プロダクションの名刺だった。

大企業ではないが、若者に人気の事務所だった。

僕も一度は聞いたことのある名前だ。


「君さ、イケメンだし、人気出ると思うの。

 体験でさ、うちの撮影に参加してみない?」


もともと芸能界には興味がなかったが、

服が好きだったので、

ファッション雑誌には興味があった。

どんな撮影をしているのか。考えたことがある。


「どんな体験なんですか?」

「雑誌の特集に出てもらいたくてさ。どうかな?」


人とのかかわりが苦手だった僕だが、今は受験期。

周りはみんな勉強で大忙しだし、

志望校に受かる自信もあった。

一回だけの体験だし、休憩がてらいいかもしれない。

みんなにバレることもないだろう。


「いいですよ」そう返事を返した。

親にも伝え、許可をしっかりともらい。



実際すごく楽しくて、一回だけで終わらず、

中学を卒業してからも

ファッション誌のモデルや、SNSでの活動の幅を広めて

事務所にも所属してしまった。

現実世界では出せない自分が出せた。


高校でも一時期噂になったが、

何せSNS上と現実世界の自分のギャップがありすぎて

特に大騒ぎになることもなかった。

だからだろうか、安心しきっていた。


転校する数日前に今いるクラスの

グループチャットに情報が流れたらしい。

だからみんな自分のことを知っていたらしい。

引っ越してから雑誌の仕事はなかなかできていないが

SNSでの活動はしていた。


本当の姿なのか、偽りの姿なのか、

わからないSNS上の自分を早くも見られてしまった。


はじめての昼休みはそんな恥ずかしい自分への

質問攻めから始まった。


最悪のスタートだ。




なかなか小説書くのって難しいですね。頑張ります。

感想とかもらえると嬉しいですね。

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