第2話 周辺の異変と宿到着
マモルとムキエルが宿に向かうさなか
辺境の村の先にある街の城にて辺境伯ことマキナ卿が勇者の到着を心待ちにしていた。
「今代の勇者は素直でいい子だと聞くきっとユミナも気にいるだろう。」
「はい、お父様。この槍を持って必ずや勇者様と共に魔王軍を打って見せましょう。」
「ハハハそれでこそ鬼槍のマキナの娘だ。亡き母もきっと喜んでくれるだろう。それにしても、もう日が暮れると言うのにまだ勇者は来ないのか?迎えの兵はいったい何をしておる。」
その時外の方から喧騒が聞こえてきた。
「何やら外が騒がしいなぁ。」
「もしかたら、勇者様が御到着したのかも知れません。」
「やっときおったか。よし、出迎えるとするか。」
マキナが城からでて見るとそこにいたの見張りの兵に取り抑えられる一人の男がいた。
「マキナ卿!!このものが我らを無視して中に入ろうと。」
「うむ?お前は辺境の村の村長ではないか。離してやれ。それで、こんな時間に何用か?」
「はぁ、はぁ、たいへんです!!。街での品売りの帰りに辺境伯の兵達が倒れていたので何事かと、急いで確認しにきたしだいで」
「何⁉︎、それで兵達の状況は!!」
「それが……その。」
チラチラとユミナを見る村長。
「ああ、ユミナよ少し下がっていてくれ。」
「わかりました。」
「聞き分けの良い娘よな。それで状況は?」
「なんでも全員尻がひどぐ槍のようなものでやられていて、それでもなんとか息があるようで。全員うなされていてうわ言のように妖精がとつぶやくばかりで」
「む!!妖精だと⁉︎。もしや?」
「何か心辺りがあるのですか?マキナ卿。」
「魔王軍には世にも恐ろしい妖精がいると聞く…まさか⁉︎今すぐ兵を村へと急がせろ‼︎。」
「バタッお父様!!」
「ユミナよ聞こえていたか?」
「勇者様は大丈夫なのでしょうか?」
「案ずるな。妖精ごとき勇者の敵ではない。」
「こうしてはおれまい私達も村に向かうぞ」
「はい、…どうか勇者様ご無事で。」
こうして、辺境伯達がが慌ただしくなっているともしらずマモルはムキエルの宿に着いたのであった。
「さぁついたぜここが俺がやってる宿だ。」
「うわぁ、大きいですねぇ。」
そこには辺境の村のはずれには不自然くらい大きな三階だての宿屋があった。
「そうだろ。俺のは大っきいからなぁヘヘヘ。」
「でも、こんなに大きくても人の気配がしないですねぇ」
「まぁ、たまに冒険者の奴等が貯まるくらいだからなぁどっちかってえと屋台の方が本業だな。」
「へぇ〜そうなんですか。それじゃあ今は誰もいないんですか?」
「まあな、うるせぇよりはいいだろう。」
「そうですね。」
「じゃあ開けるぞ。」
「ガチャ」
「それでは、ようこそ癒やしの宿へ……たっぷり癒してやるからなぁグヘヘへ」
「どうしたんですか?」
「なぁに久しぶりの客だからな舞い上がってるだけだ。そんなことより、入った、入った。」
マモルはムキエルに促されて宿に入る。
ただこの後にとてつもない困難が待ち受けているとも知らずに。