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忍者無双  作者: skysino
第2の課題【名を轟かせよ】 駆け出し冒険者編
9/9

第9話 メルシアナ王国-前編-

忙しくて…もう一ヶ月経ってたんですね、すみませんでした。

これからも少し遅れるかも。

至急準備を進めた俺は、ぐっすりと寝て休んだ後、ハルオに強引な見送りを受け、メルシアナ王国へと旅立った…というよりは追い出された。

勿論ハルオに害意や敵意の類は皆無だ。しかし何故あんな対応をしているのかは解せないが。もしかすると彼なりの愛嬌を示しているのかもしれない。


とまあそんな事は置いておいて、早速俺はメルシアナ王国への旅路に着いている。

中々長くなりそうだし、これから暫く向こうに居る予定なのでハルオから宿泊グッズの類や、食糧は受け取っており既に【ブラックホール】の中だ。しかしこの【ブラックホール】にも期限等はあるので、早めに消費したり定期的な整理は必要だろう。そんな事もあって大量には貰っていない。


メルシアナ王国に行く為の道路はしっかり整備し、車なんかも余裕で擦れ違える程の幅がある。

日本の国道なんかと同じ位なのでとても歩き易い。…とはいえ、ここ魔星に自動車が普及しているのかと言われれば首を傾けざるを得ない。

そしてハルオの居る隠れ家からはここまで大分離れていて、この道まで1時間程かかったが。


そんなこんな苦労やこれからの事を考えていると、やがて1台の馬車が見えてきた。

やはりと言うべきか、この世界…とは言わなくても、メルシアナ王国には自動車は普及していないようだ。

もしかするとあの行商人らしき人物が貧乏で買えていないだけの可能性も皆無ではないが。

何故そこまで注目したのかというと、ここが田舎で今まで人一人と擦れ違っていなかった為だ。


行商人がこっちの方に来ているのはここら辺に集落おようなものがあるのか、それともドラゴン山脈の浅部に素材を調達しに来たのかは分からない。

やがて馬車と擦れ違う時、案の定行商人から話しかけてきた。


「よう、こんな所に人が居るなんて珍しいな。冒険者か?」


「いえ、旅人です。これからメルシアナ王国に用事があるんで」


「そうか。メルシアナ王国まではまだ遠いぞ?一人で大丈夫か?」


「ええ。大丈夫ですよ。…一つ質問したい事があるんですがいいですか?」


「しょうがねえ。一つだぞ。」


「メルシアナ王国に入ってギルドがある一番近い都市は何処か分かりますか?」


「王国に入ったら直ぐの所が首都ガイロンだ。王都とかギルドとかの主要施設はもうちょっと中の方にあるからそこに行けばいい」


「そうですか、有難う御座います」


俺は情報に感謝し、そのまま歩を進める。

あの行商人が言うにはガイロンは相当デカいらしい。メルシアナ王国の凡そ3割は占めるという。これには驚いた。






暫く歩くと王国の領土の印が見えてきた。

魔物が殆ど出没しなかった為、ここまでスムーズに来れたのだ。もしかするともっと時間がかかってしまっていた可能性もある。

これは定期的に冒険者や警備隊が退治しているからだと言う。

そして少し歩くと警備隊の駐屯地っぽいものが見えてきた。この辺から王国の領土だ。

何事も無くメルシアナ王国に入れたがここからだ。

ガイロンまではもう少しだし王都まで行くにはもっとかかるだろう。

ハルオによればこの駐屯地で身分証を作って貰えるらしいので、序によって行く。

これがないと各都市に入るのに時間が無駄にかかってしまうそうだ。




駐屯地は狭く、そこまで立派では無かった。

これは日本と比べてしまった俺が愚かだった。

それは兎も角、身分証を発行して貰ったらそこで終わりだからどうだっていいだろう。


「おい、何の用だ」


まあ、そうなるよね。

そもそも駐屯地で発行して貰えるなんてどんなサービスだよ。

まあ、それだけ王国がしっかりと管理管轄しているからこんな事が出来るんだろうけど。


「身分証を発行してほしくて」


「…む?珍しいな。山脈の方の村の出か?」


「まあ、そんなとこです。暫く王都に滞在したいのでそれようにお願いします」


「分かった。付いて来い」


兵士っぽい人_いや、実際に兵士なのだろう_は俺にそう声を掛け、小さな建物の奥に入って行った。



少し歩くと廊下のような所に出た。そこは意外としっかりした造りになっていて、兵士の休憩室もあるようだ。その兵士は休憩室に入ると、間もなくがっしりとした身体の男が出てきた。


「よう、俺はここの駐屯地の長で第七兵士団副兵士長のアイドラだ。俺はマジックアイテムを使って身分証の発行を取り締まっている。さて、ここからは俺に付いて来い。…お前はご苦労、戻っていいぞ」


アイドラと名乗ったその男は、俺の答えを待たずせっせと歩いて行く。

そして先程とは違う部屋に入ると、どこからか大きな青い水晶を持って来た。


「これに右手を置け」


アイドラはシンプルにそう言った。

言われるがままに置いてみると…水晶が金色に光出し、どこからともなく現れた光から、一つのカードのような物が出てきた…いや、創られた。


「さて、これで身分証が完成だ。ざっとした情報が載っている」


想像していたよりも早かった。

内容を見てみると、名前や年齢、性別が書いてあるだけでバレてしまってはいけない情報までは書いていなかったので安心した。




さて、さっさと王都に行こうか。

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