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忍者無双  作者: skysino
第1の課題【自らを理解せよ】 職業伝承編
5/9

第5話 ハルオの体験談-後編-

今回は少し短めです。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ハルオは夜中、嫌な気配を感じて飛び起きた。

しかし起きた時には既に遅し。

周りに見た事も無いような魔物がウジャウジャと俺を囲んでいた。


ハルオは我武者羅がむしゃらに戦った。

ひたすら【闇爪】と【神速】を叫ぶ。

ハルオを囲んでいた魔物達はだんだんと数を減らしていった。

が、指揮官らしきその魔物…オーガが出て来た所でハルオは絶望感にひしぐ。


ハルオは戦い過ぎたのか体の底から疲労が溜まってきており、今にもぶっ倒れそうだった。

しかしここで倒れては死んでしまうと命の危機を感じて、棍棒でオーガと打ち合いながらもその単語を叫ぶ。


「【闇爪】ッ!」


必死に叫んだ事に功を成し、その大きな真っ黒な爪はオーガの頭部に直撃し、中の物をぶちまける。

とても気持ち悪かったが、体の底から込み上げてくる疲労と悪寒、吐き気に気を取られ、ここで警戒をせずに寝てしまった事に後悔しながらハルオは倒れて行った。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「起きたら悲惨じゃった」


「これは…酷いですね。こんなにも出て来るんですか?」


「いや、これは儂が特別じゃっただけだ。さて、その後からは本当に巻きで話すぞ」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



ハルオは起きた時、直ぐに身構えた。

意識が飛ぶ直前までの出来事を鮮明に覚えており、警戒心が滲み出たのだ。

しかしハルオが意識を回復させた場所は見慣れない乗り物の中。

そう、ここは馬車の中だったのだ。


「気付いたか?」


聞いた事の無い無愛想な声が馬車の中で響く。


「は、はい。失礼ですが、ここは何処で貴方は誰ですか?」


「俺は通りすがりの商人のイラサムだ。そしてここは俺の所有している馬車だ」


「助けてくれたんですか?」


「ああ。…俺はいつも朝早くに出るからな。偶々俺が通りかかったらお前さんが倒れてたから、救ってやった訳よ」


「そうなんですね、有難う御座いました!聞きたい事は山ほどあるんですけど…先ずはお礼ですね。僕に出来る事があれば何でもしますよ」


「いや、本当に序でだし、何も要りませんよ。強いて言うならば、俺の店をご贔屓に、という事だよ」


「有難う御座います」


ハルオは良い人に助けて貰った、と思い、密かに安堵した。

もしこれが賊等に攫われていたらどうなっていたか分からない。

この異世界と思われる場所に奴隷制度があるのかは分からないが、もしかしたらそうなる可能性は大いにある。


その後、イラサムから沢山の情報を聞いた。

先ず今は朝の9時。ハルオはこの時間まで寝ていた事になり、魔物に襲われなかったのは奇跡だと思えた。

そして今向かっている街はメルシアナ王国の首都ガイロン。ハルオはどうせなのでそこまで連れて行って貰う事にした。

情報屋等のお店の位置も大雑把にだが教えて貰い、詳しくはそこで聞こうと思う。


無事ガイロンに着いたハルオは、最後にイラサムに慈悲を受ける。


「お前さんはお金さえ満足に無さそうだから、お前さんの傍にあったオーガの死体を持って来てやったぞ。大分デカいが、ギルドまで運べば解体してくれる筈だ。それで金を貰いな。どうせお前さんが倒したんだろう?」


「はい、最後まで有難う御座います!」


「いや、気にするな」


そう言い、ハルオはイラサムと別れた。




イラサムと別れた後、先ずはギルドに向かった。

”冒険者ギルド・ヒュドラ”という一番大きい場所にやって来たが、沢山のギルド派遣がある中で一番大きいギルドで、全世界にあるらしい。ヒュドラとは多くの頭を持った水蛇で、復活もする事からギルドも沢山頭があり、不死身という事を表したらしい。

ギルドでオーガを売ると、驚かれたが、解体料金を引いて15万アロ貰えた。

その後情報屋に行き、より詳しい情報を教えて貰った。

流石に異世界から来たという事は言えないと判断したので、そこを隠してこの国について聞いて行く。

知ったのはここが魔星のメルシアナ王国の首都ガイロン。ここは辺境で、強い魔物が沢山出るらしい。

後は軽く地理やお金について聞き、最後に宿を教えて貰った。

因みに円=アロらしい。


その後ハルオは冒険者に登録し、活躍していった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「ザッと言うと儂がこの世界に来るまではこんな感じじゃ。この後は目的に触れてしまうが、これだけは言っとこう。後に昔の仲間に会う事が出来た」


「そうなんですね、良かったです。でも、そんなサバイバルで生きていけるなんて凄いですね」


「いや、当時はきつかったぞ?」


俺はハルオがどう生きていたのかの片鱗を理解し、改めて尊敬する。

片鱗しか知る事が出来なかったのは残念だが、後々教えて貰えるだろう。

因みにその冒険者をやっている最中、闇魔法で恐れられた事と、忍者としての隠密能力から闇隠やみがくれという異名が付いたそう。




ハルオからの内容の濃い昔話を聞いた後、若干ごろごろした俺は疲れの為か、ベッドにダイブした途端に眠りに落ちていったのだった。




翌朝、またも豪華な朝食を頂いた後、俺とハルオは広い部屋に来ていた。

そこは訓練場…のような施設。地下だとは言え、素晴らしく居心地の良い部屋だった。


「さて、訓練を始めるとするか」

これで体験談?は一時終了です。

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